猫のノミ・マダニ対策やフィラリア症予防で動物病院を受診した際、よく提案されるのが「ブラベクト」シリーズです。
現在は「ブラベクト スポット猫用」と「ブラベクト プラス猫用」の2種類がラインナップされていますが、「何が違うのかわからない」「うちの子にはどちらを選べばいいの?」と迷われる飼い主様も少なくありません。
この記事では、2つの製品の違いや選び方を詳しく解説します。
第1章:【一目でわかる】ブラベクトシリーズ比較一覧表
まずは、両製品の最大の違いである「配合成分」と「予防・駆除できる寄生虫の範囲」を比較してみましょう。
| 項目 | ブラベクト スポット猫用 | ブラベクト プラス猫用 |
| 医薬品区分 | 一般動物用医薬品 | 要指示医薬品 / 指定医薬品 / 劇薬 |
| 有効成分 | 1成分 (フルララネル) |
2成分 (フルララネル + モキシデクチン) |
| ノミ駆除 | 〇(約3か月間持続) | 〇(約3か月間持続) |
| マダニ駆除 | 〇(約3か月間持続) | 〇(約2〜3か月間持続) |
| フィラリア予防 | × | 〇 |
| 消化管寄生虫 |
× |
〇(猫回虫・猫鉤虫) |
| 対象条件 | 11週齢以上・体重1.2kg以上 | 9週齢以上・体重1.2kg以上 |
| 投与方法 | スポットオン(皮膚に滴下) | スポットオン(皮膚に滴下) |
| 投与頻度 | 3か月に1回 | 3か月に1回 |
第2章:あなたの愛猫にはどれ?タイプ別の選び方
どちらの製品も『投薬は3か月に1回』でOK!
毎月のお薬作業や点滴のストレスを激減させたい飼い主様に最適です。
予防目的に合わせて以下のように選びましょう。
・「フィラリア予防は別で行っており、ノミ・マダニだけを『3か月に1回』の投薬で長期間しっかり駆除したい」
👉 ブラベクト スポット猫用がおすすめ
・「毎月のお薬作業から解放されたい!ノミ・マダニ・フィラリア予防・お腹の虫まで『3か月に1回』でまとめてオールインワン対策したい」
👉 ブラベクト プラス猫用がおすすめ
第3章:各製品の特徴と効能・効果
① ブラベクト スポット猫用
| 医薬品区分 | 一般動物用医薬品 |
| 有効成分 | フルララネル(280mg/mL) |
| 効能・効果 | 猫:ノミ及びマダニの駆除 |
| 対象条件 | 11週齢以上、かつ体重1.2kg以上の猫 |
・成分の作用と特徴
イソオキサゾリン系成分「フルララネル」が寄生したノミやマダニの神経系に作用し、速やかに駆除します。
最大の特徴は、1回の投与でノミ・マダニ駆除効果が約3か月間持続する点です。
年間4回程度の投与で1年中ノミ・マダニ対策が完了するため、投薬の手間や愛猫のストレスを大幅に軽減できます。
② ブラベクト プラス猫用
| 医薬品区分 | 要指示医薬品、指定医薬品、劇薬 |
| 有効成分 | フルララネル(280mg/mL)+ モキシデクチン(14mg/mL) |
| 効能・効果 | 1. 犬糸状虫(フィラリア)症の予防 2. ノミ及びマダニの駆除 3. 猫回虫及び猫鉤虫の駆除 |
| 対象条件 | 9週齢以上、かつ体重1.2kg以上の猫 |
・成分の作用と特徴
「フルララネル」の強力なノミ・マダニ駆除効果に加え、「モキシデクチン」を配合。
血管内に侵入したフィラリア幼虫を駆除してフィラリア症を予防します(3か月間隔の継続投与で予防可能)。
さらに猫回虫・猫鉤虫まで同時に駆除できるオールインワン製剤です。
第4章:体重別の規格一覧
両製品とも、主成分フルララネルの含有量(mg)によって3つの規格がラインナップされています。
愛猫の体重に合わせて選択します。
| 規格(ピペット容量) | 適用体重 | 対象製品・年齢 |
| 112.5mg (0.4mLピペット) |
体重 1.2kg以上 〜 2.8kg未満 | ブラベクト スポット猫用 (11週齢以上) ブラベクト プラス猫用 |
| 250mg (0.89mLピペット) |
体重 2.8kg以上 〜 6.25kg未満 | |
| 500mg (1.79mLピペット) |
体重 6.25kg以上 〜 12.5kg未満 |
(※いずれの製品も、体重12.5kgを超える猫ちゃんの場合は、フルララネル40mg/kgを基準量とし、獣医師の指示のもと適切なピペットを組み合わせて投与します)
第5章:投与方法と重要な注意点
■ 投与方法
ブラベクトシリーズのピペットはキャップを取り外す必要がありません。
ピペットを立てた状態で持ち、キャップを「カチッ」と音がして内部のシールが破れるまで1回転まわすことで開封できます。(※キャップは引っ張って引き抜かないでください)
開封後、猫ちゃんが自分で舐め取ることができない「頸背上部(首の後ろ側から、背中の上の方にかけて)」の毛をかき分け、皮膚に直接全量を滴下してください。
■ 安全に使用するための注意点
・完全に乾くまで触れない: 投与部位が乾くまで、触れないようにしてください。
・同居動物との接触を避ける: 投与直後にお互いを舐め合ってしまうのを防ぐため、薬剤が乾くまでは他の猫やペットとの接触を避けてください。
・シャンプー・水浴の制限: 薬効を安定させるため、投与後3日間は水浴あるいはシャンプーを控えてください。
・てんかん・神経症状の既往歴: まれにけいれん等の神経症状が認められることがあるため、てんかん発作の病歴がある猫ちゃんへ投与する場合は獣医師にご相談ください。
・フィラリア血液検査: 『ブラベクト プラス』の投薬前には必ず動物病院でフィラリア寄生の有無を確認する検査が必要です。
■ 処方・受診について
「ブラベクト プラス」は要指示医薬品のため、入手には獣医師の処方または指示書が必要となります。
また、投与前には必ず動物病院でフィラリア非感染を確認する血液検査が必須です。
「ブラベクト スポット」は一般の動物用医薬品ですが、皮膚症状や健康状態に応じた最適な使用のために獣医師へのご相談をおすすめします。
まとめ
ブラベクトシリーズ最大の強みは、「3か月に1回の投与で済むため、毎月の投与作業や愛猫への負担・ストレスを大幅に軽減できる」点にあります。
- ノミ・マダニ対策だけをシンプルかつ『3か月に1回』で行いたい
👉 ブラベクト スポット猫用 - 『3か月に1回』の投与でフィラリア予防・ノミとマダニ・お腹の虫まで最広域にケアしたい
👉 ブラベクト プラス猫用
愛猫の年齢や体重、完全室内飼いか外出の有無といった生活環境によって、ベストな予防プランは異なります。
毎月の投薬に苦労している飼い主様は、ぜひ一度かかりつけの動物病院でご相談してみてください。
また、動物用医薬品に関するご不明点やご相談がある場合は、動物のお薬の専門店『ねこあざらし薬店』にお気軽にお問い合わせください。

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社での保険金査定業務などに従事。現在は製薬関係の業務に携わりつつ、ペットの健康相談業務、動物関係のライティングに加えてペット用品並びに犬猫の健康記事に関する監修経験多数。なおプライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理実施中。
