【獣医師監修】犬のマラセチア皮膚炎治療薬ガイド~マラセブとマラセブライトの違いと使い分け~

愛犬がベタつきや赤み、かゆみなどを伴う「マラセチア皮膚炎」を起こした際、動物病院で使用される代表的な薬用シャンプーに『マラセブ』があります。さらに、新しい基剤を採用した『マラセブライト』がラインナップに加わりました。
ここでは、2つのシャンプーの「有効成分」「洗浄成分と特徴」「使い分けの目安」「使い方・注意点」を解説します。


【状態1】皮脂(あぶら)が多く脱脂が必要なとき
👉 マラセブ(中程度の脱脂作用でしっかり洗える標準タイプ)

【状態2】皮脂が軽度、またはシャンプー後の乾燥が気になるとき
👉 マラセブライト(マイルドな洗浄力で過乾燥しにくい新タイプ)


項目 マラセブ マラセブライト
有効成分 ミコナゾール硝酸塩 2%(抗真菌成分)
クロルヘキシジングルコン酸塩 2%(殺菌成分)
ミコナゾール硝酸塩 2%(抗真菌成分)
クロルヘキシジングルコン酸塩 2%(殺菌成分)
洗浄成分 両性界面活性剤 非イオン(ノニオン)界面活性剤
洗浄力・特徴 中程度の脱脂作用を有する マイルドな洗浄力で洗浄後に過乾燥しにくい
刺激性 陰イオン界面活性剤と比べて低刺激 他のイオン性界面活性剤に比べて皮膚や粘膜への刺激性が低く、生体親和性が高い
使用例・適した症例 皮脂(あぶら)の分泌が中程度以上のマラセチア皮膚炎に ①皮脂(あぶら)の分泌が軽度のマラセチア皮膚炎に
②シャンプー後の乾燥が気になる症例に

※界面活性剤とは:水と油を混ぜ合わせることで、脂汚れを落とせるようにする成分。


有効成分:ミコナゾール硝酸塩 2%、クロルヘキシジングルコン酸塩 2%を配合。マラセチア(真菌)およびブドウ球菌(細菌)に対して優れた有効性を発揮します。

洗浄成分:両性界面活性剤を使用。中程度の脱脂作用を備えており、皮脂の分泌が多くてベタつきやニオイが強い時期に適しています。

有効成分:マラセブと同じく、ミコナゾール硝酸塩 2%、クロルヘキシジングルコン酸塩 2%を配合。殺菌力や有効成分の濃度はマラセブと同様です。

洗浄成分:非イオン(ノニオン)界面活性剤を採用。皮膚や粘膜への刺激性が低く生体親和性が高いため、マイルドな洗浄力で過乾燥を防ぎます。皮脂の分泌が比較的軽度な症例や、シャンプー後の乾燥が気になる場合に向いています。


正しい効果を得るための使用手順と注意点です。

▶ 全身をしっかり湿らせる
ぬるま湯で犬の被毛と皮膚を十分に濡らします。

▶ 重症な部位から泡立てる
適量を手にとり全身になじませます。
わきの下や指の間、お腹周りなど症状が重い部分や菌が増殖しやすい部分から泡立てていくのが効果的です。

正確に約10分間放置する(最重要)
有効成分を皮膚に行き渡らせるため、泡をつけたまま時計を見て約10分間放置します。

 ⚠️ 放置中の注意点
 放置中に泡を大量に舐めたり吸い込んだりすると、消化管障害などを引き起こすおそれがあります。
 必ず目を離さず、身震いによる薬液の飛び散りや目・耳への侵入に注意しましょう。

▶ しっかりすすぎ、優しく乾かす
泡が完全になくなるよう5〜10分かけて十分に洗い流し、タオルで優しく水分を拭き取ってしっかり乾かします。

▶ 投与頻度
通常は1日1回、3日以上間隔をあけて週2回使用します。
※用法用量については必ず獣医師の指示に従ってください。


『マラセブ』シリーズは、皮膚の状態に合わせて使い分けることができます。

  • ベタつきが強い時期は「マラセブ」でしっかり脱脂・洗浄
  • ベタつきが落ち着いた後や乾燥しやすい子は「マラセブライト」で優しくケア

愛犬の症状や状態に合わせた選択・使用につきましては、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

また、動物用医薬品に関するご不明点やご相談がある場合は、動物のお薬の専門店『ねこあざらし薬店』にお気軽にお問い合わせください。