愛犬のノミ・マダニ対策やフィラリア予防で動物病院を受診した際、よく提案されるのが「クレデリオ」シリーズです。現在、「クレデリオ錠」「クレデリオプラス錠」「クレデリオクワトロ錠」の3種類がラインナップされていますが、「名前が似ていて何が違うのかわからない」「うちの子にはどれを選べばいいの?」と悩まれる飼い主様も少なくありません。
この記事では、3つの製品の「予防・駆除できる範囲(効能・効果)」「配合成分の役割」「医薬品分類」「体重別の規格サイズ」「味(フレーバー)」の違いを、詳しく解説します。
1. 【一目でわかる】クレデリオシリーズ比較一覧表
まずは3製品の最大の違いである「医薬品区分」「配合成分」「効果効能(防げる対象)」などを比較してみましょう。
| 項目 | クレデリオ錠 | クレデリオプラス錠 | クレデリオクワトロ錠 |
| 医薬品区分 | 動物用医薬品 | 動物用医薬品、指定医薬品、要指示医薬品 | 動物用医薬品、指定医薬品、要指示医薬品 |
| 配合成分 | 1成分 (ロチラネル) |
2成分 (ロチラネル+ミルベマイシンオキシム) |
4成分 (ロチラネル+モキシデクチン+プラジクアンテル+ピランテルパモ酸塩) |
| ノミ・マダニ | 〇 | 〇 | 〇 |
| フィラリア予防 | × | 〇 | 〇 |
| 消化管寄生虫 | × | 〇 (犬回虫、犬鉤虫〔成虫・幼虫〕、犬鞭虫) |
〇 (犬回虫〔未成熟虫・成虫〕、犬小回虫、犬鉤虫〔未成熟虫・成虫〕、条虫類〔瓜実条虫、単包条虫・多包条虫(エキノコックス)〕) |
| イヌニキビダニ | × | × | 〇 |
| 対象の条件 | 8週齢以上 体重1.5kg以上 |
8週齢以上 体重1.7kg以上 |
8週齢以上 体重1.5kg以上 |
| 味 | ビーフフレーバー (豚肝臓由来) |
ビーフフレーバー (豚肝臓由来) |
ビーフフレーバー (動物由来タンパク不使用、ミートフリー) |
2. あなたの愛犬にはどれ?タイプ別の選び方
「フィラリア予防は別の投薬や注射で済ませており、ノミ・マダニ対策を確実に行いたい」
👉 クレデリオ錠がおすすめ
「毎月1回のおやつタイプで、ノミ・マダニ対策・フィラリア予防・基本的なお腹の虫駆除を1錠で終わらせたい」
👉 クレデリオプラス錠がおすすめ
「フィラリアやノミマダニだけでなく、エキノコックスや条虫(サナダムシ)、ニキビダニまで1回で最広域に予防・駆除したい」「肉類アレルギーがある」
👉 クレデリオクワトロ錠がおすすめ
3. 各製品の特徴と効能・効果
① クレデリオ錠
医薬品区分: 一般動物用医薬品
有効成分: ロチラネル(56.25mg / 112.5mg / 225mg / 450mg / 900mg)
効能・効果:
犬:ノミ及びマダニの駆除
成分の作用と特徴:
有効成分ロチラネルは、イソキサゾリン系に分類される抗寄生虫成分です。寄生虫の神経伝達系(GABA受容体)に選択的に作用し、麻痺させて駆除します。
速効性と持続性:
投与後、ノミに対しては6時間以内(新規寄生は4時間以内)、マダニに対しては8時間以内(新規寄生は48時間以内)に駆除効果を発揮します。1回の投与で効果が1ヶ月間持続します。
こんな子に:
「フィラリア予防は通年注射で行っている」「ノミマダニ対策だけを行いたい」という場合に最適です。
② クレデリオプラス錠(ノミ・マダニ+フィラリア+基本の消化管寄生虫)
医薬品区分: 要指示医薬品、指定医薬品
有効成分: ロチラネル + ミルベマイシンオキシム
効能・効果:
・犬糸状虫症の予防(フィラリア症予防)
・ノミ及びマダニの駆除
・消化管内寄生虫の駆除(犬回虫、犬鉤虫〔成虫・幼虫〕、犬鞭虫)
成分の作用と特徴:
ロチラネルのノミ・マダニ駆除効果に加え、マクロライド系のミルベマイシンオキシムを配合。犬糸状虫の幼虫(L3/L4)を駆除して心臓への寄生を防ぐとともに、お腹の代表的な有害寄生虫(回虫・鉤虫・鞭虫)を同時に撃退します。
こんな子に:
ノミ・マダニ対策とフィラリア予防のシーズンが重なる時期に、投薬の手間や飲み忘れを最小限に抑えたい場合。
③ クレデリオクワトロ錠(ノミ・マダニ+フィラリア+ニキビダニ+基本の消化管寄生虫+条虫・エキノコックスまでカバー)
医薬品区分: 要指示医薬品、指定医薬品
有効成分: ロチラネル + モキシデクチン + プラジクアンテル + ピランテルパモ酸塩
効能・効果:
・犬糸状虫の寄生予防(フィラリア症予防)
・ノミ及びマダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
・消化管内寄生虫の駆除(犬回虫〔未成熟虫・成虫〕、犬小回虫、犬鉤虫〔未成熟虫・成虫〕)
・条虫類の駆除(瓜実条虫、単包条虫、多包条虫〔エキノコックス〕)
成分の作用と特徴:
4つの有効成分を組み合わせることで、従来のオールインワン剤では対応できなかった寄生虫までカバー範囲を広げた最新の製剤です。
追加効果①: 頑固な皮膚病の原因となるイヌニキビダニを駆除
追加効果②: 瓜実条虫(サナダムシ)や人獣共通感染症として重要視される多包条虫(エキノコックス)などの各種寄生虫を駆除
こんな子に:
草むらやドッグランによく行く子、野山でお散歩する子、人への感染リスクも徹底的に防ぎたいご家庭にベストです。
4. 体重別の規格一覧
愛犬の体重に合わせた適切なサイズ(S/M/L/LL/XL)を選択します。
有効成分の組み合わせにより、製品ごとに投与可能な最小体重や体重区分が異なります。
クレデリオ錠(対象:8週齢以上、体重1.5kg以上)
・S:1.5kg以上 〜 2.5kg以下
・M:2.5kg超 〜 5.5kg以下
・L:5.5kg超 〜 11.0kg以下
・LL:11.0kg超 〜 22.0kg以下
・XL:22.0kg超 〜 45.0kg以下
クレデリオプラス錠(対象:8週齢以上、体重1.7kg以上)
・S:1.7kg以上 〜 2.8kg以下
・M:2.8kg超 〜 5.5kg以下
・L:5.5kg超 〜 11.0kg以下
・LL:11.0kg超 〜 22.0kg以下
・XL:22.0kg超 〜 45.0kg以下
クレデリオクワトロ錠(対象:8週齢以上、体重1.5kg以上)
・S:1.5kg以上 〜 2.8kg以下
・M:2.8kg超 〜 5.5kg以下
・L:5.5kg超 〜 11.0kg以下
・LL:11.0kg超 〜 22.0kg以下
・XL:22.0kg超 〜 45.0kg以下
5. アレルギーと嗜好性に配慮されたフレーバー
すべての製品がワンちゃんにとって嗜好性の高い小粒型錠剤ですが、原材料の構成に違いがあります。
● クレデリオ錠、クレデリオプラス錠
ポークレバー由来成分等を使用したビーフ風味(豚肝臓由来)。高い食いつき率が確認されています。
● クレデリオクワトロ錠
動物性タンパク質不使用(ミートフリー/ポークフリー)のビーフフレーバー(野菜由来)。
牛肉・豚肉・鶏肉などの食物アレルギーがある愛犬でも安心して投与しやすい設計です。
また、プラジクアンテル特有の苦みを抑える特殊製法が施されています。
6. 共通する投与方法と注意点
● 投与頻度とタイミング
月に1回、「食事と同時」または「食後30分以内」に経口投与します。
有効成分であるロチラネルは、脂溶性が高く、食事に含まれる脂質と一緒に消化吸収されることで、血液中の薬物濃度が十分に高まるという特性を持っています。
空腹時に投与してしまうと成分が十分に吸収されず、本来のノミ・マダニ駆除効果や持続期間が得られない可能性があります。必ず毎日のフードやおやつと一緒に与えてください。
● 受診・処方について
「クレデリオプラス錠」および「クレデリオクワトロ錠」は要指示医薬品のため、投与前には必ず獣医師の診察およびフィラリア非感染を確認する血液検査が必要です。
万が一、すでに体内にフィラリアの成虫が寄生している状態で予防薬を投与すると、ミクロフィラリア(幼虫)が一斉に死滅し、ショック症状などの重篤な副作用を引き起こす危険性があります。
そのため、毎年投薬を開始する前には必ず動物病院でフィラリア感染の有無を確かめる血液検査を受けてください。
また、ねこあざらし薬店のような店舗で購入される場合、獣医師が発行した『指示書』の提出が法令上必須となります。受診の際、獣医師にご相談のうえ『指示書』をご記載いただいてください。
→『指示書』に関する詳細な手順を確認する
なお、ノミ・マダニ駆除単剤の「クレデリオ錠」は一般動物用医薬品で購入に『指示書』は不要ですが、愛犬の健康状態に合わせた適切な使用方法について、事前に獣医師に相談することが推奨されます。
まとめ
クレデリオシリーズは、ライフスタイルやアレルギーの有無に合わせて最適な製品を選ぶことができます。
- ノミ・マダニ対策で十分 👉 クレデリオ錠
- 定番のオールインワンでフィラリア・お腹の虫まで予防したい 👉 クレデリオプラス錠
- エキノコックス・条虫・ニキビダニまでカバーし、お肉アレルギーにも配慮したい 👉 クレデリオクワトロ錠
愛犬の健康状態や体質に合わせた選択につきましては、かかりつけの動物病院にご相談ください。
また、動物用医薬品に関するご不明点やご相談がある場合は、動物のお薬の専門店『ねこあざらし薬店』にお気軽にお問い合わせください。

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社での保険金査定業務などに従事。現在は製薬関係の業務に携わりつつ、ペットの健康相談業務、動物関係のライティングに加えてペット用品並びに犬猫の健康記事に関する監修経験多数。なおプライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理実施中。
