犬や猫の歯肉炎の症状を和らげるインターベリーαという医薬品があります。この記事では、犬猫の歯肉炎について、主な原因や症状、インターベリーαの効果や使い方、自宅でできる口腔ケアなどを幅広く解説しています。
【この記事を読んでわかること】
- 2歳以上の犬猫の約8割が歯周病に罹患している
- インターベリーαは歯肉炎の症状を和らげる医薬品
- 歯周病の悪化と慢性腎臓病の発症には強い相関関係がある
- 自宅での口腔ケアは歯磨きが基本
最後まで記事を読んで、犬猫の歯肉炎とインターベリーαについて学んでみましょう
インターベリーαの購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。
犬猫の歯肉炎と歯周病

歯肉炎とは
歯肉炎とは、口腔内に溜まった歯垢や歯石によって細菌が繁殖し歯茎に炎症が起こった状態のことをいいます。
歯周病は歯肉炎が悪化してしまった結果、歯の周囲の歯肉や骨などの組織が炎症を起こし破壊される疾患のことを示し、歯肉炎は歯周病の初期症状の一つです。
歯周病の発症率
歯肉炎とは
2歳以上の犬や猫の約8割が歯周病に罹患しているといわれており、非常に多くのペットが歯周病のリスクにさらされています。
リスクの高い個体では1歳未満から歯周病が始まっていることもあるため、早期からの予防が重要です。
歯周病の症状
歯周病になると、以下のような症状が見られます。
- 口臭
- 食欲不振・体重減少
- 眼の下の腫れ
- 歯茎の赤み・腫れ
- 口からの出血
歯周病が引き起こす全身疾患
歯周病の細菌が体内に侵入すると、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。
特に猫では、歯周病の悪化と慢性腎臓病の発症との間に強い相関関係があることが指摘されております。
健康な歯を持つ猫と比較し中等度の歯周病の猫では約14倍、重度歯周病の猫では約35倍も慢性腎臓病を発症するリスクが高まると報告されています。
また、犬においても心臓の弁に菌が付着することで僧帽弁閉鎖不全症や感染性心内膜炎などの心疾患のリスクが高まるとの報告があります。
インターベリーαとは

インターベリーαの概要
項目 | 内容 |
有効成分 | 改変イヌインターフェロン アルファ-4発現イチゴ果実凍結乾燥粉末 |
適応症 | 犬および猫の歯肉炎の症状軽減 |
対象動物 | 6ヶ月齢以上の犬および猫 |
内容量 | 2.75g(10回分) |
インターベリーαは、犬と猫の歯周病の初期症状の一つである歯肉炎の症状を和らげるための医薬品です。
2023年2月10日付けで猫の歯肉炎に対する適応症が承認され、犬だけでなく猫にも使用できるようになりました。
インターベリーαの作用メカニズム
インターフェロンαは口腔内の免疫を活性化させる効果を持っています。
口の中の免疫バランスを改善し、歯周病の原因となる細菌数を減少させます。
それにより、歯肉炎の症状を軽減する効果が期待できます。
インターベリーαの特徴
- イチゴ風味で使いやすい
- 動物用医薬品として国から承認を得ており、ペット保険の適用になる場合もある
- スケーリングや歯みがき等、適切なオーラルケアを並行しながら定期的に使用することで歯周病の進行を抑制することが期待できる
インターベリーαの使い方
『用法・用量』
インターベリーαの使い方は以下のとおりです。
- 獣医師が本剤1包装分(2.75g:10回分)を1回分ずつに分包する
- 飼い主は指先を水道水で濡らして本剤の1回分を1日1回、犬または猫の歯肉に塗り込み投与する
- 投与は3~4日に一回の間隔で合計10回行う
大体週2回、合計5週間使うイメージです。
『使用時の注意点』
・インターベリーは歯肉に塗る薬です。飲ませても効果はありません
・指先に水を少しつけて、その水でインターベリーの粉を溶かしながら歯肉に塗る
・力加減に注意し、できるだけ優しく行う
自宅でできる口腔ケア

歯周病を予防するためには、日頃の口腔ケアが重要です。
歯磨きの重要性
最も良いとされる方法はペット用のデンタルブラシで歯磨きをしてあげることです。
できれば毎日、お家でのデンタルケアを実践しましょう。
歯磨きのステップアップ方法
嫌がる犬や猫も少なくないので、少しずつ時間をかけて習慣づけてあげることが大切です。
まずはお口周りを触ってみて嫌がらなければ、前歯から始めて奥歯までタッチできるか挑戦します。
問題なく歯に触れるようになれば、愛犬や愛猫が好きな風味のデンタルジェルなどを指先につけてゆっくりと歯を磨いてあげるようにしましょう。
デンタルジェルでの歯磨きが上手にできるようになったら、いよいよ歯ブラシを使用して磨いてあげてみてください。
口腔ケアの種類
歯ブラシでの歯磨きが難しい場合は、以下のような方法もあります。
・使い捨てタイプの歯磨きシート
・おもちゃタイプ:楽しく遊びながらケア
・おやつタイプ:自然と噛むだけでケア
・デンタルジェル
口腔ケアの注意点
・歯周病の兆候がある場合、歯茎がもろくなっていて出血や痛みを感じやすいことがあります
・犬や猫が不快感を覚えると、後々の歯のケアが難しくなる可能性があります
まとめ
ここまで、犬猫の歯肉炎について、主な原因や症状、インターベリーαの効果や使い方、自宅でできる口腔ケアなどを幅広く解説してきました。
この記事のまとめは、以下のとおりです。
- 2歳以上の犬猫の約8割が歯周病に罹患している
- インターベリーαは歯肉炎の症状を和らげる医薬品
- 歯周病の悪化と慢性腎臓病や心疾患の発症には強い相関関係がある
- 自宅での口腔ケアは歯磨きが基本
犬猫の歯周病は多くのペットが抱える問題であり、早期からの予防と適切な治療が重要です。
インターベリーαは歯肉炎の症状を和らげる効果が期待できますが、日頃の口腔ケアも並行して行うことが大切です。歯肉炎の症状が見られたら、まずはお近くの動物病院を受診し、獣医師の指示を理解した上で適切にお薬を使用しましょう。
なお、インターベリーαの購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。
ねこあざらし薬店では、決済完了から最短翌日にお薬をお受け取りいただけます。
また、お薬に関するお悩みは、24時間いつでもLINEから薬剤師へご相談いただけます。
ねこあざらし薬店で販売しているインターベリーαは、以下からご覧ください。

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社での保険金査定業務などに従事。現在は製薬関係の業務に携わりつつ、ペットの健康相談業務、動物関係のライティングに加えてペット用品並びに犬猫の健康記事に関する監修経験多数。なおプライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理実施中。