説明
【効果効能】
猫:慢性アレルギー性皮膚炎における症状の緩和
【用法用量】
猫:1日1回、体重1kg当たりシクロスポリン7mg(製剤として0.07mL/kg)を基準量として、空腹時に少量の餌に混ぜて摂取させるかシリンジを用いて直接口に入れ、連日経口投与する。臨床症状の改善は概ね4週間程度でみられる。臨床症状の改善が認められた場合には、症状に応じて投与間隔を隔日または週2回に漸減することができる。
【使用上の注意】
(基本的事項)
1.守らなければならないこと
(一般的注意)
・本剤は要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
・本剤は効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
・本剤は定められた用法・用量を厳守すること。
(取扱い及び廃棄のための注意)
・小児の手の届かないところに保管すること。
・本剤の保管は、外箱に入れて、直射日光及び高温を避けること。
・本剤は、開封後10週を過ぎたものは使用しないこと。
・製剤は、個体毎に使い分け、製剤及び投薬用シリンジを共有しないこと。
・約20℃以下で保存するとゼリー状になることがあるが、品質に問題はない。その場合には20℃以上の室温にて溶解後使用すること。
・使用済みの容器は、地方公共団体条例に従い処分すること。
(猫に関する注意)
・本剤は猫以外に使用しないこと。
2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
・誤って薬剤を飲み込んだ場合は直ちに医師の診察を受けること。
人が過量に誤飲した場合の症状:悪心、嘔吐、傾眠、頭痛、頻脈、血圧上昇、腎機能低下等。
・本剤が手に付着した場合は手を洗うこと。
・シクロスポリンに過敏症のある人は、本剤との接触を避けること。
(猫に関する注意)
・副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
(専門的事項)
①禁忌
・本剤投与中には生ワクチンを接種しないこと。
②対象動物の使用制限
・以下の症例には安全性・有効性が確認されていないため使用しないこと。
・6ヵ月齢未満及び体重1.5kg未満の猫
・繁殖に供している猫、妊娠あるいは授乳中の雌猫
・猫白血病ウィルスFelV又は猫免疫不全ウィルスFIV感染猫
・本剤投与によって既存の外部寄生虫感染等他の皮膚、全身等の感染症が悪化する可能性があるため、それらがある場合は、完治するまで本剤を使用しないこと。
・本剤に対し過敏症の猫には投与しないこと。
・他の免疫抑制剤と同様に潜在的な腫瘍を悪化させる可能性があるため、本剤を悪性腫瘍の病歴又は疑いのある猫には使用しないこと。
・本剤の投与によって膵臓β細胞からのインスリンの分泌に影響を与え、血中グルコースレベルを増加させる可能性があるので、糖尿病が疑われる猫には本剤を使用しないこと。
・トキソプラズマ症を発病している猫には本剤を使用しないこと。
・細菌、真菌の感染、ノミやダニ等外部寄生虫の感染、食事アレルギー等、本剤が対象としない原因による疾患の場合は、本剤の投与対象としないこと。
③重要な基本的注意
・本剤の効果の発現までには数週間程度の期間を要する。臨床的改善は通常4週間でみられるが、8週間経過後に臨床徴候の改善が認められない場合は、本剤の投与を中止すること。
・本剤の投与前に血液検査により肝臓等の機能を検査し、必要に応じて本剤の血中濃度のモニタリングを実施し、慎重な投与を行うこと。
・患猫の飼い主に対し、本剤の有効性及び危険性を予め十分説明し、理解したことを確認した上で投与を開始すること。
・本剤投与によって外部寄生虫感染等他の皮膚、全身等の感染症が再発あるいは他の感染症に罹患した場合は、感染症に対する適切な治療を行い、改善しない場合は、本剤の投与を中止すること。
・トキソプラズマ陰性猫であっても本剤の使用に際し、猫へのT.gondiiの曝露リスクは避けるよう飼い主に指導し、継続的に観察すること(生肉の摂取や屋外での狩猟行動を避ける)。
・本剤は、主にTリンパ球に由来する免疫機能の抑制剤であることから、投与により猫の免疫機能が損なわれる可能性があるので、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮し、投与の要否を獣医師が適切に判断した上で投与すること。
・本剤投与中には不活化ワクチンは免疫応答が阻害される可能性があるので、接種後は継続的に観察すること。
・本剤の投与前には一般状態について検査し、適応症以外の所見(感染症、肝障害等)を見つけた場合、(1)~(4)の注意を参考に慎重に投与すること。
(1)掻痒及び皮膚炎などの臨床徴候はアレルギー性皮膚炎固有の症状ではないため、必ず類症鑑別診断を実施してから本剤を投与すること。
(2)本剤は肝障害の疑いのある猫に対して投与した場合、本剤の代謝あるいは胆汁中への排泄が遅延する恐れがあるため、肝障害の疑いのある猫に投与する場合は、肝障害の有無を確認して投与を開始し、頻回に臨床検査(血球数算定、ビリルビン、AST、ALT等)を行うなど、観察を十分行い慎重に投与すること。
(3)腎障害の疑いのある猫に投与する場合は、腎臓障害の有無を確認して投薬を開始し、頻回に臨床検査(血球数算定、クレアチニン、BUN、尿検査等)を行うなど観察を十分行い慎重に投与すること。
(4)高齢猫では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下しているので、臨床症状を観察しながら慎重に投与すること。
④相互作用
・ジギタリス強心配糖体と併用した場合は、p-糖タンパク質を介した尿細管分泌過程が阻害され、ジギタリス中毒を発現する可能性がある。
・アミノグリコシド系抗生物質、サルファ剤・トリメトプリム合剤、新キノロン系合成抗菌剤、非ステロイド性消炎鎮痛剤等の腎毒性が知られている薬剤と併用した場合は、腎毒性が増強される可能性がある。
・副腎皮質ホルモン剤、カルシウム拮抗剤、マクロライド系抗生物質、アゾール系抗真菌剤、クロラムフェニコール系抗生物質、新キノロン系合成抗菌剤と併用した場合は、本剤の代謝(代謝酵素チトクローム P450 3A系)が抑制され、本剤の血中濃度が上昇することがある。
・抗てんかん剤と併用した場合は、薬物の代謝酵素誘導作用により本剤の血中濃度が下降することがある。
・メトクロプラミドと併用した場合は、胃腸運動が亢進し、胃内内容排出時間が短縮され、本剤の胃での分解が抑制され、十二指腸における吸収が増加することにより本剤の血中濃度が上昇することがある。
・炭酸脱水素酵素阻害剤と併用した場合は、本剤の血中濃度が上昇することがある。また、キサンチン系気管支拡張剤と併用した場合は、キサンチン誘導体の血中濃度が上昇することがある。
・カリウム保持性利尿剤と併用した場合は、高カリウム血症が増強されることがある。
・他の免疫抑制剤との併用は避けることが望ましい。
⑤副作用
・本剤の投与により嘔吐、下痢といった消化器症状がみられることがある。一般的に、これらの症状は軽度から中程度であるが慎重に投与すること。
・本剤の投与により、元気消失、食欲不振、流涎及び体重減少がみられることがある。
・国内臨床試験において嘔吐、下痢・軟便といった消化器症状が認められた。また、臨床症状を伴わない有意な臨床検査値の異常が下記の通り認められた。血清中グルコース値の上昇、総コレステロール値の上昇、クレアチニン値の上昇、BUN値の上昇、ALT値の上昇及びAST値の上昇。
⑥過量投与
・本剤を謝って投与した場合は、適切な処置を施すこと。
⑦その他の注意
・げっ歯類を用いた毒性試験では腎毒性、筋肉の痙攣または虚弱、歯列異常(切歯のゆるみ及び過長)などの異常が用量依存性に認められた。
・安全性試験において、5倍量(40mg/kg/day)投与群の1頭が投与14日目に一般状態の悪化から安楽死に至った。当該症例の直前の観察では横臥、半眼、食欲不振、触診時冷感、軽度の脱水、歯肉の褪色、体重減少が認められ、病理組織学的検査により、肋骨骨折/仮骨及び中程度の骨髄の細胞の減少が認められた。肋骨骨折は本剤投与開始前に生じたものであり、これらの徴候・症状と、本剤投与との因果関係は不明であった。
【保存方法】
本剤の保管は、外箱に入れて、直射日光及び高温を避けること。
【包装単位】
5mL×1個
【承認区分】
医薬品(動物用医薬品)
【製剤区分】
代謝性用薬
【規制区分】
劇薬, 指定医薬品, 要指示医薬品
【製造販売業者】
エランコジャパン株式会社
【メーカーお問合わせ先】
共立製薬株式会社 学術
〒102-0073
東京都千代田区九段北一丁目11番5号
TEL:03-3264-7556