説明
【効果効能】
犬の感染性外耳炎
(有効菌種:本剤感受性のスタフィロコッカス属及びMalassezia pachydermatis)
【用法用量】
犬の耳道内に、片耳当たり1日1回、体重に応じて下記の量を垂らす。
なお、投与するにあたり以下について注意すること。
(1) 耳道内の異物、汚物、痂皮化した滲出物は非刺激性の洗浄液で取り去り、治療部位に生えている余分な毛は引き抜くこと。
(2) 耳道内における薬液の拡散を図るため、本剤の投与後は耳道に沿ってマッサージすること。
【使用上の注意】
(基本的事項)
1.守らなければならないこと
(一般的注意)
・本剤は効能・効果において定められた適応症の治療にのみ使用すること。
・本剤は定められた用法・用量を厳守すること。
・本剤は外用以外に使用しないこと。
・本剤を耳道内に滴下し、耳道に沿ってマッサージすること。なお、必要に応じて耳道洗浄を行い、耳道内の耳垢を除去すること。
・本剤の使用に当たっては1週間の投与を限度とし、症状の改善が見られない場合には、他の治療方法を検討すること。
・本剤は獣医師の適正な指導の下で使用すること。
(取扱い及び廃棄のための注意)
・開封後は、同封の投薬補助器に取り換えて使用すること。
・よく振り混ぜてから使用すること。
・投与時は、犬の外耳道にノズルの先を近づけ、本体を軽く押して滴下すること。
・小児の手の届かないところに保管すること。
・投薬補助器をつけたまま保存をする際にはふたを上にして保存すること。
・本剤の保管は直射日光及び高温を避けること。
・誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れかえないこと。
・使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。
・本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。
2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
・誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けること。
・本剤は油性製剤であるため、本剤が皮膚に付着した場合には石鹸等を用いて水洗いすること。
・モメタゾンフランカルボン酸エステルはウサギにおいて、クロトリマゾールはマウスにおいて催奇形性が認められたとの報告があることから、妊娠又は妊娠している可能性がある場合は慎重に取り扱うこと。
・ヒトへのクロトリマゾールの投与により、まれに紅斑、刺激、水疱、落屑、浮腫、掻痒、蕁麻疹及び皮膚の全身炎症が生じることが報告されている。
(犬に関する注意)
・副作用が認められた場合は、速やかに獣医師の診察を受けること。
(専門的事項)
(対象動物の使用制限)
・本剤の使用に当たっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、適応症の治療上必要な最小限の投与に止めること。
・アミノグリコシドの副作用として耳毒性が報告されているので、鼓膜の損傷している犬には投与しないこと。また、聴覚毒性のある薬剤との併用を行わないこと。
・ダニの寄生を認める場合及び耳道を閉塞する疾患(新生物、腫瘍、慢性増殖性変性等)がある犬には投与しないこと。
・3ヵ月未満の犬に対する安全性は確立していないので、使用を避けること。
・モメタゾンフランカルボン酸エステルはウサギにおいて催奇形性、ラットにおいて胎子発育抑制作用、クロトリマゾールはマウスにおいて催奇形性、ラットにおいて出産子の死亡率の増加が認められたとの報告があることから、妊娠中、妊娠している可能性がある犬または授乳中の犬には使用しないこと。
・成分のいずれかに過敏症であることがわかっている犬には投与しないこと。
(副作用)
(1)本剤によって過敏症(刺激感、紅斑等)が起きた場合には投与を中止し、適切な薬剤に変更すること。
(2)人用モメタゾンフランカルボン酸エステル製剤で、長期連用により、ざ瘡様発疹、酒さ様皮膚炎・ステロイド皮膚(皮膚萎縮、ステロイド潮紅・毛細血管拡張、紫斑)、多毛、色素脱失等が報告されている。このような症状が起きた場合は、本剤の使用を差し控え、副腎皮質ホルモンを含まない薬剤に変更すること。また、ときに接触性皮膚炎、皮膚乾燥、まれに掻痒が報告されている。
(3)アミノグリコシドに関連した副作用
・本剤投与により、高齢犬で一過性の聴覚障害が起こることがあり、極めてまれに非可逆的な場合があるので慎重に投与し、聴覚の異常が認められた場合には直ちに投薬を中止すること。
・アミノグリコシドは皮膚からの吸収が悪いものの、面積の大きな創面、火傷、皮膚損傷に対し、特に腎臓の機能不全がある場合に長期間外用塗布すると中毒を発現することがある。
・アミノグリコシドの投与により、前庭、蝸牛及び腎の可逆的及び非可逆的な毒性が生じるおそれがある。本剤の投与中に聴覚又は前庭障害が認められた場合には直ちに投与を中止し、外耳道を水又は生理食塩水等で洗浄すること。
(4)コルチコステロイドに関連した副作用
・本剤の長期間の投与又は過剰投与は、免疫抑制効果を示すことがある。
・コルチコステロイドを投与した後において、生体のステロイド産生能が低下することがある。コルチコステロイド治療を受けている犬あるいは最近投与を受けた犬には、慎重に投与すること。
・妊娠中の犬にコルチコステロイドを投与すると、産子に口蓋裂、前脂奇形、アザラシ状奇形及び全身水腫が生じることが報告されている。妊娠後期の犬にコルチコステロイドを投与すると分娩誘起あるいは難産、死産、胎盤停滞及び子宮内膜炎を伴う早産が誘起されることがある。
・大量又は長期にわたる広範囲の使用により、下垂体・副腎皮質機能の抑制を来すことがあるので注意すること。
・モタメゾンを犬に非経口投与及び/又は高用量あるいは長期の投与により、ALP、ALT(GPT)の上昇、体重減少、食欲不振、多飲症、多尿症、好中球増加及びリンパ球減少が報告されている。
・モタメゾンを犬に長期間又は頻回投与すると、クッシング症候群が発現することが報告されている。
(その他の注意)
・海外において、7日間を超えて投与した際に、創傷治癒遅延が発現したとの報告がある。
【貯法】
室温保存
【包装単位】
プラスチックボトル 7.5g
【承認区分】
医薬品(動物用医薬品)
【製剤区分】
抗生物質製剤
【規制区分】
劇薬, 指定医薬品
【メーカーお問合わせ先】
MSDアニマルヘルス株式会社
〒102-8667 東京都千代田区九段北一丁目13番12号
TEL:03-6272-1099
FAX:03-6238-9080