獣医師がオススメする犬のノミダニ薬6選!効果の違いや選び方を解説

この記事では、犬のノミダニ薬について、獣医師が効果の違いや選び方、おすすめの製品などを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • 犬のノミダニ薬の違いは「駆除できる虫の種類」と「効果持続時間」、「使い方」の3つ
  • ノミやマダニ、シラミ、蚊など、製品によって対象となる虫が異なる
  • 効果持続時間は1ヶ月~4ヶ月ほどで、製品により大きく異なる
  • 使い方には「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

最後まで記事を読んで、犬のノミダニ薬について学んでみましょう。

なお、犬のノミダニ薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


犬のノミダニ薬には多くの種類がありますが、どんな違いがあるのでしょうか?

犬のノミダニ薬には、大きくわけて以下の3つの違いがあります。

  1. 駆除できる虫の種類が異なる
  2. 効果持続時間が異なる
  3. 「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

犬のノミダニ薬は、薬の種類によって駆除できる虫の種類が異なります。

ノミ・マダニを駆除できるのはほとんどの製品で共通ですが、製品によっては他に以下のような虫を駆除できます。

  • イヌニキビダニ(全身性毛包虫症の原因)
  • イヌセンコウヒゼンダニ(疥癬(かいせん)の原因)
  • ミミヒゼンダニ(耳疥癬の原因)
  • シラミ
  • ハジラミ

また、虫を駆除するだけではなく、以下のような効果を持った薬も販売されています。

  • 「卵の孵化」や「幼虫の変態※」を防ぎ、ノミの寄生を予防する
    ※変態:幼虫から成虫になること
  • 蚊を寄せつけない

犬のノミダニ薬は、薬の種類によって効果持続時間が異なります。

一般的なノミダニ薬の効果は、1ヶ月前後です。

中には4ヶ月効果が持続する製品もあり、長く効く方が投与頻度が減るため、手間がかかりません。

犬のノミダニ薬は、投与の仕方によって「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の2種類に分かれます。

「食べるタイプ」は内服薬(チュアブル剤)ともいい、味がついている錠剤タイプです。

「液を垂らすタイプ」は滴下薬(スポット剤)ともいい、液体の薬を首の後ろに垂らして使います。

それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

食べるタイプ液を垂らすタイプ
メリット・シャンプーのタイミングを気にしなくてよい
・皮膚トラブルの心配がない
・おやつ感覚で投与できる
・薬剤を体に付けるため、嫌がっても確実に投与できる
・食べ物の好き嫌いやアレルギーに左右されない
・胃腸の調子が悪くても使える
デメリット・嫌がって食べない場合がある
・嘔吐してしまうと効果が期待できない
・食物アレルギーがある子は注意が必要
・使用後しばらくはシャンプーができない
・皮膚が敏感な子はかゆみや赤みが出る場合がある
・毛をかき分けて地肌に直接つける必要があるため、慣れていないと難しい

それぞれの製品のメリット・デメリットをよく考え、ワンちゃんに合ったものを選ぶとよいでしょう。


犬のノミダニ薬は製品によってさまざまな特徴があるため、どの製品がワンちゃんに合っているのか迷ってしまいますよね。

犬のノミダニ薬は、以下の順番で選ぶことがおすすめです。

  1. 駆除できる虫の種類で選ぶ
  2. 効果が続く時間で選ぶ
  3. 「食べるタイプ」もしくは「液を垂らすタイプ」で選ぶ

駆除できる虫の種類が多いほど、使う薬の種類を減らせるため、ワンちゃんのストレスや飼い主さんの手間を減らせます。

1回の投薬でより多くの種類の虫を駆除したい方は、効果の範囲が広い薬を選びましょう。

また、効果が続く時間が長いと、薬を使う頻度が減るので投薬が楽になります。

投薬の手間を減らしたい方は、効果持続時間が3ヶ月~4ヶ月と長めのものを選ぶとよいでしょう。

最後に、使い方で選ぶのがおすすめです。

「食べるタイプ」「液を垂らすタイプ」それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、ワンちゃんに合った薬を選んでみてくださいね。

もし選び方で迷ってしまったら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。


ここからは、犬のノミダニ薬について、6製品の違いを詳しく解説します。

使い方や効果の概要を以下の表にまとめました。

クレデリオブラベクトシンパリカマイフリーガード アルファエフィプロデュオフォートレオン
使い方内服スポット・内服内服スポットスポットスポット
ノミ・マダニ
イヌニキビダニ〇※1
イヌセンコウヒゼンダニ〇※1
ミミヒゼンダニ
シラミ・ハジラミ
ノミ卵の孵化・ノミ幼虫の変態阻害
蚊除け
効果持続時間1ヶ月3ヶ月~4ヶ月1ヶ月1ヶ月※21ヶ月※31ヶ月※4
※1:食べるタイプのみ
※2:ノミ(1ヶ月~3ヶ月)、ノミ卵・幼虫・蛹(3ヶ月)、マダニ(1ヶ月)
※3:ノミ(7週)、ノミ卵・幼虫(12週)、マダニ(4週)
※4:ノミ・マダニ(5週~6週)、蚊(1ヵ月)

製品によって、効果の範囲や効果持続時間が大きく異なることがわかりますね。

つぎに、各製品の特徴やおすすめの方を詳しく解説します。

使い方食べるタイプ
効能効果・ノミ・マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
効果持続時間1ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振など

クレデリオは、『ロチラネル』を有効成分とする、食べるタイプのノミダニ薬です。

1回の投与で1ヶ月間、犬に寄生したノミ・マダニ・イヌニキビダニを駆除します。

美味しいビーフフレーバータイプなので、薬が苦手なワンちゃんでも使いやすいのが特徴。

吸収をよくするため、食事と一緒もしくは食後30分以内に投与してください。

■おすすめの方

  • いつものご飯と一緒に薬をあげたい方
  • ノミ、マダニに加え、イヌニキビダニも駆除したい方
ブラベクト錠ブラベクトスポット
使い方食べるタイプ液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
・イヌセンコウヒゼンダニの駆除
・ノミ・マダニの駆除
効果持続時間3ヶ月4ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、食欲不振など赤み、脱毛など

ブラベクトは、『フルララネル』を有効成分とするノミダニ薬です。

「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の両方があり、食べるタイプは3ヶ月、液を垂らすタイプは4ヶ月効果が持続します。

長く効果が続くため、ワンちゃんのストレスや飼い主さんの手間を減らせるのがメリットです。

食べるタイプは美味しいポークフレーバータイプで、いつもの食事に混ぜるか、少量のご飯とともに投与してください。

■おすすめの方

  • 投与の手間を減らしたい方
  • 投与によるワンちゃんのストレスを軽減したい方
  • 「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の両方から選びたい方
使い方食べるタイプ
効能効果・ノミ・マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
・ミミヒゼンダニ・イヌセンコウヒゼンダニの駆除
効果持続時間1ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振など

シンパリカは、『サロラネル』を有効成分とする、食べるタイプのノミダニ薬です。

1回の投与で1ヶ月間、犬に寄生したノミ・マダニの駆除効果が持続。

また、皮膚病を引き起こすイヌニキビダニ・ミミヒゼンダニも駆除します。

小粒のミートフレーバータイプで、94%のワンちゃんが自分から食べたというデータもあるほど、美味しさに定評があります。

空腹時にも使えるので、おやつとして投与もできる薬です。

■おすすめの方

  • 空腹時にも薬をあげたい方
  • さまざまなダニを駆除したい方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・シラミ、ハジラミの駆除
・ノミ卵の孵化、ノミ幼虫の変態阻害
効果持続時間・ノミ:1ヶ月~3ヶ月
・ノミ卵、幼虫、蛹:3ヶ月
・マダニ:1ヶ月
副作用・リスクかゆみ、赤み、毛の脱色、脱毛など

マイフリーガードαは、『フィプロニル』および『メトプレン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

こちらはジェネリック医薬品で、1回の投与でノミに対し1ヶ月~3ヶ月、マダニに対し1ヶ月間、新規の寄生を防ぎます。

また、最大3ヶ月の間、ノミ卵の孵化やノミ幼虫の変態を阻害します。

なお、同じ成分の薬に「フィプロスポットプラス」がありますが、こちらは別の会社から販売されているジェネリック医薬品で、効果は同じです。

■おすすめの方

  • 安いジェネリック医薬品を希望する方
  • ノミ、マダニに加えシラミ、ハジラミも駆除したい方

また、マイフリーガードとフィプロスポットには、「α」や「プラス」が付かない無印版がありますが、無印版にはメトプレンが配合されておらず、効果はノミ・マダニの駆除のみです。

使い方液を垂らすタイプ
効能効果ノミ、マダニの駆除
効果持続時間・ノミ:1ヶ月~3ヶ月
・マダニ:1ヶ月
副作用・リスクかゆみ、赤み、毛の脱色、脱毛など

■おすすめの方

  • 安いジェネリック医薬品を希望する方
  • ノミ、マダニの駆除を目的とする方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・ノミ卵の孵化、ノミ幼虫の変態阻害
効果持続時間・ノミ:7週
・ノミ卵、幼虫:12週
・マダニ:4週
副作用・リスクかゆみ、赤み、脱毛など

エフィプロデュオは、『フィプロニル』および『ピリプロキシフェン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

1回の投与でノミに対し7週間、マダニに対し4週間、駆除効果が持続します。

また、12週間、ノミ卵の孵化やノミ幼虫の変態を阻害します。

■おすすめの方

  • ノミ・マダニの対策のみで十分な方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・蚊除け
効果持続時間・ノミ、マダニ:5週~6週
・蚊:1ヵ月
副作用・リスク皮膚刺激、よだれ(口に入った場合)など

フォートレオンは、『イミダクロプリド』および『ペルメトリン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

1回の投与でノミ・マダニに対し5週間~6週間、駆除効果が持続します。

また、動物用医薬品で唯一、蚊除け効果があり、投与から1ヶ月間は蚊を寄せ付けません。

■おすすめの方

  • ノミ、マダニ駆除に加え、蚊の対策もしたい方

ここまで、犬のノミダニ薬について、効果の違いや選び方、おすすめの製品などを幅広く解説しました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 犬のノミダニ薬の違いは「駆除できる虫の種類」と「効果持続時間」、「使い方」の3つ
  • ノミやマダニ、シラミ、蚊など、製品によって対象となる虫が異なる
  • 効果持続時間は1ヶ月~4ヶ月ほどで、製品により大きく異なる
  • 使い方には「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

この記事の内容を参考に、ワンちゃんのノミダニ対策を始めてみてくださいね。

なお、犬のノミダニ薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

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