説明
【効果効能】
犬:1ヵ月を超える治療を要する変形性関節症に伴う炎症及び疼痛の緩和
【用法用量】
マバコキシブとして体重1kg当たり2mgを経口投与する。初回投与後14日に2回目の投与を、その後は1ヵ月おきに3から7回目の投与を行う。本剤は、食餌の直前あるいは食餌と共に投与すること。なお、体重別には次の投与量による。
【使用上の注意】
(基本的事項)
1.守らなければならないこと
(一般的注意)
・本剤は、要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
・本剤は、効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
・本剤は、定められた用法・用量を厳守すること。
(犬に関する注意)
・本剤は、錠剤を分割して投与しないこと。
・本剤投与後に本剤又はその一部を吐き出した場合は、それらを再投与してもよい。ただし、新たに薬剤を開封して再投与しないこと。
・本剤は連続7回(初回投与の14日後に2回目の投与、その後は1ヵ月おきに3から7回目の投与の計7回)を超えて投与しないこと。本剤の投与を繰り返す場合は、最後に投与した日から2ヵ月以上の間隔をあけること。
(取扱い及び廃棄のための注意)
・小児の手の届かないところに保管すること。
・本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。
・使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。
2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
・本剤を投与した後は手を洗うこと。
・誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受け、医師に本剤が長期持続型の非ステロイド性抗炎症薬であることを伝えること。
・非ステロイド性抗炎症薬に対する過敏性がある場合は、本剤の取り扱いを避けること
(犬に関する注意)
・本剤の投与による消化管への副作用として、一時的な嘔吐及び下痢がみられることがある。
・本剤の効果は、2回目以降の投与では1~2ヵ月持続するため、投与終了後もこの期間は副作用の発現に注意すること。
・副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
(専門的事項)
①対象動物の使用制限等
・次の動物には投与しないこと。
・本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴がある犬
・12ヵ月齢未満の犬[12ヵ月齢未満の犬に対する安全性は確立されていないため]
・体重5kg未満の犬[用量が過剰となるため]
・交配予定の犬及び妊娠・授乳中の犬[交配予定及び妊娠・授乳中の犬に対する安全性は確立されていないため]
・潰瘍及び出血を含む消化管疾患を有する犬[消化管疾患の症状を悪化させるおそれがあるため]
・出血性疾患の兆候が認められる犬[出血性疾患を悪化させるおそれがあるため]
・腎機能障害を有する犬[プロスタグランジン合成阻害作用に基づく腎血流量低下及びナトリウム・水分貯留の起こる可能性があり、腎障害を悪化させるおそれがあるため]
・肝機能障害を有する犬[本剤は肝臓で代謝されないことから、血漿中濃度が高くなるおそれがあるため]
・心機能不全の犬[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留の起こる可能性があり、心機能を悪化させるおそれがあるため]
・次の動物には極力投与を避けること。
脱水、血液量の減少、及び低血圧が認められる犬[腎毒性のリスクを高める可能性があるため]
②重要な基本的注意
・本剤の投与開始前に他の抗炎症薬を投与していた場合は、有害作用が増強されるのを避けるため、最低24時間の休薬期間をおいて本剤の投与を開始すること。ただし、休薬期間は前投与した薬剤の特性に基づき調整すること。
・本剤の投与開始前及び3回目の投与前に、獣医師は精密検査(血液学的検査、血液生化学的検査及び尿検査)を行い、投与期間中は、定期的に腎機能の検査項目(BUN、クレアチニン及び尿比重)についてモニターすること。
・本剤を投与している犬に麻酔や手術等、脱水や血行動態の異常が予測される処置を行う場合は、腎臓でのかん流を保持するため、水分補給や血行動態の状態が適切であるか確認すること。
・本剤投与後に他の非ステロイド性抗炎症薬あるいはステロイド系抗炎症薬を投与する場合は、本剤の最終投与から2ヵ月以上の間隔を開けること。
③相互作用
併用禁忌(併用しないこと)
・薬剤名・薬効群名
他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・臨床症状・対処方法
本剤及びこれらの薬剤の副作用のリスクを増加させるおそれがある。
・作用機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもプロスタグランジン合成阻害作用を示すため、併用により作用が増強される場合がある。
・薬剤名・薬効群名
ステロイド系抗炎症薬
・臨床症状・対処方法
本剤との併用により、消化管障害のリスクを増加させるおそれがある。
・作用機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれも消化管粘膜を障害することがあるため、併用により作用が増強される場合がある。
併用注意(併用に注意すること)
・薬剤名・薬効群名
腎毒性のある薬剤 アミノグリコシド系抗生物質等
・臨床症状・対処方法
本剤及びこれらの薬剤の腎毒性が増強される可能性がある。
・作用機序・危険因子
NSAIDsは腎機能の増悪因子となる場合があるので、両剤の腎への作用が相加される場合がある。
・薬剤名・薬効群名
ACE阻害薬 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤 利尿薬
・臨床症状・対処方法
NSAIDsはこれらの薬剤の利尿・降圧作用を減弱させる可能性があるとの報告がある。
・作用機序・危険因子
他のNSAIDsでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている。
・薬剤名・薬効群名
蛋白結合率の高い薬剤 クマリン系抗凝固剤(ワルファリン)等
・臨床症状・対処方法
本剤及びこれらの薬剤の作用を増強又は減弱させる可能性がある。
・作用機序・危険因子
NSAIDsは血漿蛋白結合率が高いため、血漿蛋白結合においてこれらの薬剤と競合するためと考えられる。
④副作用
・本剤の投与による消化管への副作用として、ときに一時的な食欲不振、出血性下痢及び黒色便(0.1~1%未満)、まれに消化管腫瘍(0.01~0.1%未満)がみられることがある。
・本剤の投与により、ときに無関心、クレアチニン・BUNの検査値の悪化、及び腎機能障害がみられることがある(0.1~1%未満)。
・本剤の投与により有害事象が発現した場合は投薬を中止し、非ステロイド性抗炎症薬の過量投与時に行う一般的な補助的療法(消化管保護剤の投与や輸液等)を実施すること。特に血行動態に注意すること。
⑤その他の注意
・「若い成犬を用いた実験室内薬物動態試験では消失半減期は平均13.8~19.3日であったが、高齢(平均9歳)で体重の重い犬を主としたポピュレーションファーマコキネティクス解析では平均39日と長く、80日を超える個体も一部(5%未満)認められた。」との報告がある。
【保存方法】
気密容器
【包装単位】
2錠1シート(紙箱包装)
【承認区分】
医薬品(動物用医薬品)
【製剤区分】
神経系用薬
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
【規制区分】
劇薬, 指定医薬品, 要指示医薬品
【製造販売業者】
ゾエティス・ジャパン株式会社
【メーカーお問合わせ先】
ゾエティス・ジャパン株式会社
〒151-0053 東京都渋谷区代々木3-22-7
TEL:0120-317-955