動物用医薬品の個人輸入は違法?合法?農林水産省の最新の解釈を解説

この記事では、動物用医薬品の個人輸入について、法的な解釈や手続き、リスクなどを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • 動物用医薬品の個人輸入は適切な手続きを行えば合法
  • 要指示医薬品の個人輸入には獣医師の処方箋が必要
  • 個人輸入には通関トラブル、偽造品、副作用等の様々なリスクが存在
  • 日本で承認されている動物用医薬品と海外輸入製品では安全性に大きな差がある

最後まで記事を読んで、動物用医薬品の個人輸入について正しい知識を身につけましょう。

なお、安全で確実な動物用医薬品の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

動物用医薬品の個人輸入の法的解釈


近年、インターネット上では動物用医薬品の個人輸入代行を行うサイトが存在していますが、これらの個人輸入は本当に合法なのでしょうか?

動物用医薬品の個人輸入について、農林水産省および東京都産業労働局の最新の見解をもとに、法的な解釈を詳しく解説します。

なお、動物用医薬品の個人輸入とは、海外で販売されている動物用医薬品を個人が直接購入または輸入代行を通じて購入し、日本に輸入することです。

基本的な合法性について

農林水産省の定める手続きを適正に行えば、動物用医薬品の個人輸入は合法です。

獣医師以外の者の場合は、自分が飼養する動物用として輸入することが可能とされています。
ただし、これはあくまで「適切な手続きを行った場合」に限られ、無制限に何でも輸入できるわけではありません。

要指示医薬品の個人輸入について

要指示医薬品を個人輸入する場合は、獣医師の処方箋または指示書が必要です。

※要指示医薬品の例:フィラリア予防薬、抗生物質、心臓病の薬、鎮静剤、ホルモン剤など

この規制は薬機法第49条に基づくもので、要指示医薬品は「その使用に当たって獣医師の専門的知識と技術を必要とするもの、副作用の強いもの、病原菌に対して耐性を生じやすいもの等、その使用期間中獣医師の特別な指導を必要とするもの」として指定されています。

薬機法第49条では、薬局開設者や医薬品販売業者は、獣医師から処方箋の交付や指示を受けた者以外に対して、要指示医薬品を販売・授与してはならないと規定されており、個人輸入においてもこの規制が適用されます。

【薬機法】
(処方箋医薬品(要指示医薬品)の販売)

第四十九条 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付(処方箋の交付又は指示)を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣(農林水産大臣)の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

2 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、その薬局又は店舗に帳簿を備え、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付(処方箋の交付又は指示)を受けた者に対して前項に規定する医薬品を販売し、又は授与したときは、厚生労働省令(農林水産省令)の定めるところにより、その医薬品の販売又は授与に関する事項を記載しなければならない。

3 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、前項の帳簿を、最終の記載の日から二年間、保存しなければならない。

出典:農林水産省「海外から動物用医薬品等を購入しようとされている方へ」

数量制限について

動物用医薬品の個人輸入には、輸入方法によって異なる数量制限があります。

海外から国内に持ち込む場合は2か月程度、1品目2箱以内等の数量制限があります。

ただし、牛、馬、豚、鶏、うずら、みつばち及び食用に供するために養殖されている水産動物の所有者が当該動物に使用するための動物用医薬品やワクチン等の生物学的製剤の輸入は禁止されています。

個人輸入に伴うリスク


動物用医薬品の個人輸入には、法的な問題だけでなく、様々なリスクが存在します。

通関トラブルのリスク

要指示医薬品を獣医師の処方箋なしに輸入しようとした場合、通関で止められ廃棄処分となるケースが多発しています。

2024年4月から6月の間だけでも、一月あたり20~30件が廃棄処分となっており、多くの場合、廃棄処分となっても代行業者から返金がなされることはありません。

フィラリア予防薬等の要指示医薬品を輸入する際には獣医師の処方箋等が必要である旨、法律に規定されているにも関わらず、「動物病院代が節約できる」という甘い言葉で購入を誘引している輸入代行サイトが存在するため注意が必要です。

偽造品のリスク

海外から個人輸入される動物用医薬品は、偽造品である可能性があります。

WHOの報告によれば、人用医薬品では非合法なサイトから購入した医薬品のうち50%が偽造品であったとのことです。偽造品は見た目では判断できないことがあり、本来入っているはずの成分が入っていない、入っていてはいけない成分が入っている、不衛生な環境で製造されている等の可能性があります。

重大な副作用のリスク

個人輸入された動物用医薬品を専門的な指導を受けずに使用した場合、重大な副作用等の健康被害が発生する可能性があります。

個人輸入された動物用医薬品については、獣医師などの専門家でも、その成分や作用等に関する十分な情報を有しておらず、副作用等に迅速に対応することができない場合があります。また、副作用や健康被害が生じていても、その状況が表面化されにくいという問題もあります。

購入先とのトラブルのリスク

輸入代行業者を通じて購入した未承認動物用医薬品により生じた健康被害については、輸入代行業者は責任を負わず、購入者の責任とされる可能性が極めて高いです。

多くの輸入代行業者は、海外で承認されている・正規品保証との記載をしていても、実際にはその事実を証明することができません。輸入代行業者が購入者に提供した書面(証明書等)が偽物であった事例も確認されています。

日本で承認されている動物用医薬品との違い


日本で承認されている動物用医薬品は、医薬品医療機器等法に基づき、品質、有効性及び安全性が確認されたものです。

一方で、海外で販売されている動物用医薬品は、日本国内における品質、有効性及び安全性の確認がされていない未承認動物用医薬品です。

日本では、動物用医薬品の開発から流通まで厳格な管理体制が敷かれており、承認された製品のみが市場に流通しています。個人輸入される動物用医薬品は、このような日本の品質管理体制を経ていないため、品質や安全性に不安があります。

違法な個人輸入代行サイトへの対策


現在、『うさパラ』・『ぽちたま薬局』・『わんにゃん薬局』のように、動物用医薬品の個人輸入代行を大々的に行っているサイトが存在しています。

これらのサイトでは、法律に違反して、フィラリア予防薬等の要指示医薬品を処方箋なしで販売しているケースが確認されます。

農林水産省では、違法な広告を行うサイトに関する情報提供を受け付けており、違法な広告を行うサイトを発見した場合は、以下の連絡先に通報することができます。

通報先:yakuji_kanshi@maff.go.jp
通報内容:(ア)サイトの名称 (イ)URLアドレス

適切な動物用医薬品の入手方法


動物用医薬品を安全に入手するためには、以下の方法を推奨します。

動物病院での処方

最も安全な方法は、獣医師の診察を受け、適切な処方を受けることです。
獣医師は動物の状態を専門的に判断し、最適な薬剤を選択します。
また、副作用が生じた場合も迅速な対応が可能です。

動物用医薬品店舗販売業者からの購入

一部の動物用医薬品は、要指示医薬品に該当しないため、ねこあざらし薬店のような許可を持つお店で購入することができます。

また、獣医師に指示書を記載してもらえば、薬剤師からフィラリア予防薬等の要指示医薬品の購入も可能です。
詳細の購入手順はコチラにてご確認ください。

よくある質問


「個人輸入代行業者は本当に信頼できるの?」

ほぼ全ての個人輸入代行業者は、法的な問題やリスクについて十分な説明を行っていません。

輸出される医薬品には輸出元の国の規制がかからないため、海外で承認されている・正規品保証との記載があったとしても、事実かは不明です。

また、輸入代行業者が購入者に提供した書面(証明書等)が偽物であった事例も確認されており、信頼性に疑問があります。

「個人輸入した薬を他の人に分けても大丈夫?」

個人輸入した動物用医薬品を有償、無償を問わず他者に販売、授与等を行うことはできません。

個人輸入は、あくまで個人が自分の飼養する動物のために使用することを前提としており、他者への譲渡は法律で禁止されています。

「要指示医薬品でも2ヶ月分以内なら問題ない?」

多くの個人輸入代行業者は、「フィラリア予防薬等の要指示医薬品も2ヶ月分以内の個人輸入は問題ない」と主張していますが、これは誤解です。

要指示医薬品の個人輸入については、数量に関係なく、獣医師の処方箋が必要です。

薬機法第49条の規定により、要指示医薬品は獣医師から処方箋の交付や指示を受けた者以外には販売・授与できないため、個人輸入においても同様の規制が適用されます。

まとめ


ここまで、動物用医薬品の個人輸入について、法的な解釈やリスク、適切な入手方法などを幅広く解説しました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 動物用医薬品の個人輸入は適切な手続きを行えば合法
  • 要指示医薬品の個人輸入には獣医師の処方箋が必要
  • 個人輸入には通関トラブル、偽造品、副作用等の様々なリスクが存在
  • 日本で承認されている動物用医薬品と海外輸入製品では安全性に大きな差がある
  • 最も安全な方法は動物病院での適切な処方を受けること

この記事の内容を参考に、動物用医薬品の適切な入手と使用を心がけてくださいね。

安全で確実な動物用医薬品の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店では、法律に基づいた適切な販売を行っており、薬剤師が24時間いつでもLINEから相談を受け付けています。

獣医師がオススメする犬のノミダニ薬6選!効果の違いや選び方を解説

この記事では、犬のノミダニ薬について、獣医師が効果の違いや選び方、おすすめの製品などを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • 犬のノミダニ薬の違いは「駆除できる虫の種類」と「効果持続時間」、「使い方」の3つ
  • ノミやマダニ、シラミ、蚊など、製品によって対象となる虫が異なる
  • 効果持続時間は1ヶ月~4ヶ月ほどで、製品により大きく異なる
  • 使い方には「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

最後まで記事を読んで、犬のノミダニ薬について学んでみましょう。

なお、犬のノミダニ薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


犬のノミダニ薬には多くの種類がありますが、どんな違いがあるのでしょうか?

犬のノミダニ薬には、大きくわけて以下の3つの違いがあります。

  1. 駆除できる虫の種類が異なる
  2. 効果持続時間が異なる
  3. 「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

犬のノミダニ薬は、薬の種類によって駆除できる虫の種類が異なります。

ノミ・マダニを駆除できるのはほとんどの製品で共通ですが、製品によっては他に以下のような虫を駆除できます。

  • イヌニキビダニ(全身性毛包虫症の原因)
  • イヌセンコウヒゼンダニ(疥癬(かいせん)の原因)
  • ミミヒゼンダニ(耳疥癬の原因)
  • シラミ
  • ハジラミ

また、虫を駆除するだけではなく、以下のような効果を持った薬も販売されています。

  • 「卵の孵化」や「幼虫の変態※」を防ぎ、ノミの寄生を予防する
    ※変態:幼虫から成虫になること
  • 蚊を寄せつけない

犬のノミダニ薬は、薬の種類によって効果持続時間が異なります。

一般的なノミダニ薬の効果は、1ヶ月前後です。

中には4ヶ月効果が持続する製品もあり、長く効く方が投与頻度が減るため、手間がかかりません。

犬のノミダニ薬は、投与の仕方によって「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の2種類に分かれます。

「食べるタイプ」は内服薬(チュアブル剤)ともいい、味がついている錠剤タイプです。

「液を垂らすタイプ」は滴下薬(スポット剤)ともいい、液体の薬を首の後ろに垂らして使います。

それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

食べるタイプ液を垂らすタイプ
メリット・シャンプーのタイミングを気にしなくてよい
・皮膚トラブルの心配がない
・おやつ感覚で投与できる
・薬剤を体に付けるため、嫌がっても確実に投与できる
・食べ物の好き嫌いやアレルギーに左右されない
・胃腸の調子が悪くても使える
デメリット・嫌がって食べない場合がある
・嘔吐してしまうと効果が期待できない
・食物アレルギーがある子は注意が必要
・使用後しばらくはシャンプーができない
・皮膚が敏感な子はかゆみや赤みが出る場合がある
・毛をかき分けて地肌に直接つける必要があるため、慣れていないと難しい

それぞれの製品のメリット・デメリットをよく考え、ワンちゃんに合ったものを選ぶとよいでしょう。


犬のノミダニ薬は製品によってさまざまな特徴があるため、どの製品がワンちゃんに合っているのか迷ってしまいますよね。

犬のノミダニ薬は、以下の順番で選ぶことがおすすめです。

  1. 駆除できる虫の種類で選ぶ
  2. 効果が続く時間で選ぶ
  3. 「食べるタイプ」もしくは「液を垂らすタイプ」で選ぶ

駆除できる虫の種類が多いほど、使う薬の種類を減らせるため、ワンちゃんのストレスや飼い主さんの手間を減らせます。

1回の投薬でより多くの種類の虫を駆除したい方は、効果の範囲が広い薬を選びましょう。

また、効果が続く時間が長いと、薬を使う頻度が減るので投薬が楽になります。

投薬の手間を減らしたい方は、効果持続時間が3ヶ月~4ヶ月と長めのものを選ぶとよいでしょう。

最後に、使い方で選ぶのがおすすめです。

「食べるタイプ」「液を垂らすタイプ」それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、ワンちゃんに合った薬を選んでみてくださいね。

もし選び方で迷ってしまったら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。


ここからは、犬のノミダニ薬について、6製品の違いを詳しく解説します。

使い方や効果の概要を以下の表にまとめました。

クレデリオブラベクトシンパリカマイフリーガード アルファエフィプロデュオフォートレオン
使い方内服スポット・内服内服スポットスポットスポット
ノミ・マダニ
イヌニキビダニ〇※1
イヌセンコウヒゼンダニ〇※1
ミミヒゼンダニ
シラミ・ハジラミ
ノミ卵の孵化・ノミ幼虫の変態阻害
蚊除け
効果持続時間1ヶ月3ヶ月~4ヶ月1ヶ月1ヶ月※21ヶ月※31ヶ月※4
※1:食べるタイプのみ
※2:ノミ(1ヶ月~3ヶ月)、ノミ卵・幼虫・蛹(3ヶ月)、マダニ(1ヶ月)
※3:ノミ(7週)、ノミ卵・幼虫(12週)、マダニ(4週)
※4:ノミ・マダニ(5週~6週)、蚊(1ヵ月)

製品によって、効果の範囲や効果持続時間が大きく異なることがわかりますね。

つぎに、各製品の特徴やおすすめの方を詳しく解説します。

使い方食べるタイプ
効能効果・ノミ・マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
効果持続時間1ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振など

クレデリオは、『ロチラネル』を有効成分とする、食べるタイプのノミダニ薬です。

1回の投与で1ヶ月間、犬に寄生したノミ・マダニ・イヌニキビダニを駆除します。

美味しいビーフフレーバータイプなので、薬が苦手なワンちゃんでも使いやすいのが特徴。

吸収をよくするため、食事と一緒もしくは食後30分以内に投与してください。

■おすすめの方

  • いつものご飯と一緒に薬をあげたい方
  • ノミ、マダニに加え、イヌニキビダニも駆除したい方
ブラベクト錠ブラベクトスポット
使い方食べるタイプ液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
・イヌセンコウヒゼンダニの駆除
・ノミ・マダニの駆除
効果持続時間3ヶ月4ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、食欲不振など赤み、脱毛など

ブラベクトは、『フルララネル』を有効成分とするノミダニ薬です。

「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の両方があり、食べるタイプは3ヶ月、液を垂らすタイプは4ヶ月効果が持続します。

長く効果が続くため、ワンちゃんのストレスや飼い主さんの手間を減らせるのがメリットです。

食べるタイプは美味しいポークフレーバータイプで、いつもの食事に混ぜるか、少量のご飯とともに投与してください。

■おすすめの方

  • 投与の手間を減らしたい方
  • 投与によるワンちゃんのストレスを軽減したい方
  • 「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」の両方から選びたい方
使い方食べるタイプ
効能効果・ノミ・マダニの駆除
・イヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善
・ミミヒゼンダニ・イヌセンコウヒゼンダニの駆除
効果持続時間1ヶ月
副作用・リスク嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振など

シンパリカは、『サロラネル』を有効成分とする、食べるタイプのノミダニ薬です。

1回の投与で1ヶ月間、犬に寄生したノミ・マダニの駆除効果が持続。

また、皮膚病を引き起こすイヌニキビダニ・ミミヒゼンダニも駆除します。

小粒のミートフレーバータイプで、94%のワンちゃんが自分から食べたというデータもあるほど、美味しさに定評があります。

空腹時にも使えるので、おやつとして投与もできる薬です。

■おすすめの方

  • 空腹時にも薬をあげたい方
  • さまざまなダニを駆除したい方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・シラミ、ハジラミの駆除
・ノミ卵の孵化、ノミ幼虫の変態阻害
効果持続時間・ノミ:1ヶ月~3ヶ月
・ノミ卵、幼虫、蛹:3ヶ月
・マダニ:1ヶ月
副作用・リスクかゆみ、赤み、毛の脱色、脱毛など

マイフリーガードαは、『フィプロニル』および『メトプレン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

こちらはジェネリック医薬品で、1回の投与でノミに対し1ヶ月~3ヶ月、マダニに対し1ヶ月間、新規の寄生を防ぎます。

また、最大3ヶ月の間、ノミ卵の孵化やノミ幼虫の変態を阻害します。

なお、同じ成分の薬に「フィプロスポットプラス」がありますが、こちらは別の会社から販売されているジェネリック医薬品で、効果は同じです。

■おすすめの方

  • 安いジェネリック医薬品を希望する方
  • ノミ、マダニに加えシラミ、ハジラミも駆除したい方

また、マイフリーガードとフィプロスポットには、「α」や「プラス」が付かない無印版がありますが、無印版にはメトプレンが配合されておらず、効果はノミ・マダニの駆除のみです。

使い方液を垂らすタイプ
効能効果ノミ、マダニの駆除
効果持続時間・ノミ:1ヶ月~3ヶ月
・マダニ:1ヶ月
副作用・リスクかゆみ、赤み、毛の脱色、脱毛など

■おすすめの方

  • 安いジェネリック医薬品を希望する方
  • ノミ、マダニの駆除を目的とする方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・ノミ卵の孵化、ノミ幼虫の変態阻害
効果持続時間・ノミ:7週
・ノミ卵、幼虫:12週
・マダニ:4週
副作用・リスクかゆみ、赤み、脱毛など

エフィプロデュオは、『フィプロニル』および『ピリプロキシフェン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

1回の投与でノミに対し7週間、マダニに対し4週間、駆除効果が持続します。

また、12週間、ノミ卵の孵化やノミ幼虫の変態を阻害します。

■おすすめの方

  • ノミ・マダニの対策のみで十分な方
使い方液を垂らすタイプ
効能効果・ノミ、マダニの駆除
・蚊除け
効果持続時間・ノミ、マダニ:5週~6週
・蚊:1ヵ月
副作用・リスク皮膚刺激、よだれ(口に入った場合)など

フォートレオンは、『イミダクロプリド』および『ペルメトリン』を有効成分とする、液を垂らすタイプのノミダニ薬です。

1回の投与でノミ・マダニに対し5週間~6週間、駆除効果が持続します。

また、動物用医薬品で唯一、蚊除け効果があり、投与から1ヶ月間は蚊を寄せ付けません。

■おすすめの方

  • ノミ、マダニ駆除に加え、蚊の対策もしたい方

ここまで、犬のノミダニ薬について、効果の違いや選び方、おすすめの製品などを幅広く解説しました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 犬のノミダニ薬の違いは「駆除できる虫の種類」と「効果持続時間」、「使い方」の3つ
  • ノミやマダニ、シラミ、蚊など、製品によって対象となる虫が異なる
  • 効果持続時間は1ヶ月~4ヶ月ほどで、製品により大きく異なる
  • 使い方には「食べるタイプ」と「液を垂らすタイプ」がある

この記事の内容を参考に、ワンちゃんのノミダニ対策を始めてみてくださいね。

なお、犬のノミダニ薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店なら、決済から最短翌日に薬を受け取れます。

薬についてお困りの場合は、24時間いつでもLINEから薬剤師に相談受付可能です。

ねこあざらし薬店で販売している犬のノミダニ薬はこちらからご覧ください。

マダニから感染する猫のSFTSとは?感染経路や症状、予防法を解説

この記事では、猫のSFTSについて、感染経路や症状、治療法、予防法などを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • SFTSはマダニに噛まれることで感染する
  • 猫の主な症状は「元気がなくなる」「食欲が減る」など
  • SFTSによる猫の死亡率は約60%
  • 猫のSFTSに対する有効な治療法はない
  • 感染を防ぐにはマダニ駆除薬を使い、猫を外に出さないこと

最後まで記事を読んで、猫のSFTSについて学んでみましょう。

なお、マダニ駆除薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


最近、SFTSに関するニュースをよく目にしますが、いったいSFTSとは何なのでしょうか?

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは、SFTSウイルスによる感染症です。

SFTSウイルスは2011年に中国で初めて発見されて以来、東アジア~東南アジアに広がりました。

日本では、2017年に和歌山県で初めて猫の発症が確認され、それ以降、西日本を中心に発生しています。

2024年には、国内で約200匹の猫が感染したとの報告があり、近年は茨城県や千葉県など、関東圏にも感染が広がりつつあります。

SFTSウイルスはいったい、何が原因となり感染するのでしょうか?

その答えは「マダニ」です。

ウイルスを持ったマダニに噛まれることで、猫はSFTSに感染します。

マダニと聞くと、「うちの猫は屋内飼育だから安全」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、完全屋内飼育の猫でも、家の外に逃げ出したり、屋内に侵入したマダニに噛まれたりすることで感染する恐れがあります。

なお、マダニが猫に付着したり、猫を噛んだりしても必ずウイルスが移るわけではなく、感染しても発症しない場合があります。

感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は、約6日~14日といわれています。

猫がSFTSに感染し発症した場合、主に以下のような症状が見られます。

  • 元気がなくなる
  • 食欲が減る
  • 下痢になる
  • 吐きやすくなる
  • 粘膜や皮膚が黄色くなる(黄疸)

このような症状が猫に見られたら、まずは動物病院に相談しましょう。

猫はSFTSに対する感受性が高く、発症した場合の死亡率は約60%といわれています。

重症例では急速に状態が悪化し、5日程度で亡くなります。

出典:国立感染症研究所「獣医療関係者の SFTS 発症動物対策について」

死亡率の高さに驚いた飼い主さんも多いと思いますが、残念ながら、猫のSFTSに対する有効な治療法はありません(2025年7月時点)。

人では「アビガン」という抗ウイルス薬が、SFTSの治療薬として承認されていますが、動物での有効性や安全性はまだ研究段階です。

そのため、治療は点滴や抗菌薬などの対症療法が中心となります。

対症療法とは、病気の原因を取り除くのではなく、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりする治療法

出典:国立国語研究所

猫のSFTSは有効な治療法がないため、SFTSに感染しないよう予防することが重要です。

マダニに噛まれないよう外に猫を出さない、マダニ駆除薬を定期的に使用するなどの対策を行いましょう。

完全屋内飼育の猫でも、外に逃げ出した際に感染した事例があります。

マダニに噛まれないよう猫は屋内飼育に努め、マダニ駆除薬を定期的に投与することがオススメです。

出典:茨城県「県内における飼い猫の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染事例について」


ここまで、猫のSFTSについて解説してきましたが、飼い主さん自身も感染に注意が必要です。

SFTSは、猫から人へも感染するといわれています。

近年、SFTSを発症した動物から人に感染する事例が増えており、2025年6月には、三重県でSFTSに感染した猫を診療していた獣医師が死亡しました。

猫の血液や唾液、尿、便にウイルスが含まれており、それに触れたり、噛まれたりすることで人は感染します。

人の主な症状は発熱、腹痛、嘔吐、頭痛などで、人がSFTSに感染したときの死亡率は約27%です。

人の死亡率も非常に高いため、日頃からマダニに噛まれないよう長袖の服を着る、猫との過剰なふれあいを避けるなどの対策を意識する必要があります。

出典:NHK「マダニ媒介ウイルス感染ネコ治療の獣医師死亡 三重」


マダニ駆除薬による予防の重要性が分かったら、マダニ駆除薬を購入できる場所が気になりますよね。

マダニ駆除薬が購入できる場所は大きく2つあり、「動物病院」または「ドラッグストア」で購入できます。

また、動物用医薬品であるマダニ駆除薬には「一般医薬品」と「要指示医薬品」の2種類があり、それぞれ購入方法が異なります。

動物用医薬品とは、もっぱら動物に使用する医薬品のこと

出典:日本動物用医薬品協会

一般医薬品と要指示医薬品の違いを以下の表にまとめました。

【一般医薬品と要指示医薬品の違い】

一般医薬品要指示医薬品
獣医師の処方箋や指示書不要必要
購入できる場所動物病院、ドラッグストアなど動物病院、薬局、ドラッグストアなど(処方箋や指示書の提出が必要)
医薬品の例・ディアバスター錠(下痢止め)
・ビオイムバスター錠(整腸剤)
ブラベクトスポット(マダニ駆除薬)
・ビクタスSS錠(抗生物質)
・ラプロス(慢性腎臓病の薬)
・チロブロック錠(ホルモン剤)

一般医薬品は誰でも購入できますが、要指示医薬品の購入には「獣医師の処方箋や指示書」が必要です。

一部のマダニ駆除薬は一般医薬品であり、ドラッグストアで処方箋なしに購入できます。
※獣医師の指導のもとご使用ください

【一般医薬品であるマダニ駆除薬の例】


ここからは、猫のSFTSについてよくある質問をまとめました。

疑問点がある方は、ぜひ参考にしてください。

残念ながら、マダニ駆除薬を使っていれば絶対に感染しないわけではありません。

薬はマダニを殺す効果があるだけで、ウイルスの感染を防ぐわけではないからです。

薬を使用していても、SFTSを持っているマダニに噛まれたら感染する可能性があります。

猫のウイルス感染を予防する薬やワクチンは今のところ開発されていません。

マダニ駆除薬を使っていても、猫はなるべく外に出さないようにしましょう。

マダニは翅(はね)を持たないため、猫についているマダニが人に飛び移ってくることはありません。

基本は、猫に直接触れることでマダニは人に移ります。

しかし、最近の研究では、直接触れなくても静電気の力によってマダニが付着できることが判明しました。

近づくだけでマダニが移る可能性があるため、マダニがついた猫にはなるべく近づかず、動物病院に相談しましょう。


ここまで、猫のSFTSについて、感染経路や症状、治療法、予防法など幅広く解説しました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • SFTSはマダニに噛まれることで感染する
  • 猫の主な症状は「元気がなくなる」「食欲が減る」など
  • SFTSによる猫の死亡率は約60%
  • 猫のSFTSに対する有効な治療法はない
  • 感染を防ぐにはマダニ駆除薬を使い、猫を外に出さないこと

この記事の内容を参考に、猫のマダニ対策を始めてみてくださいね。

なお、マダニ駆除薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店なら、決済から最短翌日に薬を受け取れます。

薬についてお困りの場合は、24時間いつでもLINEから薬剤師に相談受付可能です。

ねこあざらし薬店で販売しているマダニ駆除薬はこちらからご覧ください。