犬猫の主な寄生虫は?各寄生虫の駆虫薬について解説【獣医師執筆】 

この記事では、犬や猫の主な寄生虫について解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • 犬や猫の寄生虫は「内部寄生虫」と「外部寄生虫」の大きく2種類に分かれる
  • 犬の主な内部寄生虫は犬回虫や犬鉤虫、瓜実条虫など
  • 猫の主な内部寄生虫は猫回虫や猫鉤虫、瓜実条虫など
  • 外部寄生虫にはノミやマダニ、ヒゼンダニなどがある
  • 寄生虫を予防するためには、定期的な駆虫薬の投与や衛生管理が重要

最後まで記事を読んで、犬や猫の主な寄生虫について学んでみましょう。

犬猫のお薬についてお悩みの方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


犬や猫の寄生虫は、大きく分けてA. 内部寄生虫B. 外部寄生虫の2種類に分かれます。

それぞれの寄生虫について、その特徴や代表的な種類について見ていきましょう。

内部寄生虫とは、その名のとおり体の中に寄生する寄生虫です。

内部寄生虫はその種類によって、胃や腸、肝臓など、さまざまな臓器に寄生します。

犬や猫の内部寄生虫は、大きく分けて線虫と条虫の2種類が存在し、線虫はさらに回虫や鉤虫、鞭虫などの種類に分類されます。

分類 代表的な寄生虫 主な宿主 
回虫 犬回虫、犬小回虫、猫回虫 犬、猫 
鉤虫 犬鉤虫、猫鉤虫 犬、猫 
鞭虫 犬鞭虫 犬 
分類 代表的な寄生虫 主な宿主 
条虫 瓜実条虫、猫条虫、マンソン裂頭条虫、エキノコックス 犬、猫 

以下に、内部寄生虫における詳細をご紹介します。

線虫とは、線形動物門に分類される、細長い形をした内部寄生虫の総称です。

代表的な線虫には回虫や鉤虫、鞭虫などがあり、さらに寄生する動物によって犬回虫や猫鉤虫などに細かく分類されます。

分類 代表的な寄生虫 主な宿主 
回虫 犬回虫、犬小回虫、猫回虫 犬、猫 
鉤虫 犬鉤虫、猫鉤虫 犬、猫 
鞭虫 犬鞭虫 犬 

代表的な線虫について、その詳細を解説します。

回虫は、主に虫卵の付いた食べ物を食べたり、回虫に感染した母親の胎盤を介して妊娠中に感染したりします。

症状は無症状のことが多いですが、寄生数が多くなると下痢や食欲不振、成長不良、体重減少などが現れ、重症例では腸閉塞を起こす場合があります。

寄生虫は最終的に腸に寄生し、感染した犬や猫は糞便中に虫卵を排出するようになります。

この虫卵を介して同居の犬や猫、人にも感染するため、糞便はしっかりと処理し、日頃から外に落ちている食べ物を食べさせないことが重要です。

感染してしまった場合は駆虫薬を投与し、完全に寄生虫を駆除できるまでお薬を投与します。

鉤虫とは、頭部に鉤(かぎ)のような構造を持った、体長1cm〜2cmほどの細長い寄生虫です。

鉤虫は、小腸の壁に鉤を引っ掛けて吸血することで寄生します。

鉤虫に感染すると、下痢や血便、食欲不振などの症状が見られますが、寄生虫の数が少ないと症状が出ないこともあります。

寄生した鉤虫は虫卵を排出し、その虫卵は犬や猫の糞便によって環境に排泄され孵化します。

この孵化した幼虫を体内に取り込むことで、鉤虫は新しい動物に感染します。

鉤虫の感染経路は以下のとおりさまざまです。

【鉤虫の感染経路】

  • 経皮感染
  • 経口感染
  • 経乳感染
  • 経胎盤感染

鉤虫に感染してしまったら、駆虫薬を投与し、貧血を起こしている場合は輸液・輸血なども行います。

条虫(サナダムシ)とは、扁形動物門の条虫網に分類される、扁平で細長い形が特徴の内部寄生虫です。

条虫の体は、図のように片節(へんせつ)が多数つながってできています。

犬や猫に寄生する代表的な条虫には以下のようなものがあります。

分類 代表的な寄生虫 主な宿主 
条虫 瓜実条虫、猫条虫、マンソン裂頭条虫、エキノコックス 犬、猫 

代表的な条虫について、その詳細を解説します。

瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)とは、犬と猫の両方に寄生する条虫です。

原因はノミやハジラミで、瓜実条虫を持ったノミやハジラミを口にすることで感染します。

【主な症状】

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少

瓜実条虫への感染が疑われる場合は、糞便検査を行って糞便中の片節を確認します。

治療には駆虫薬が使用され、治療開始後は継続して糞便検査を行い、完全に駆虫されるまで駆虫薬を投与します。

猫条虫は、猫に感染する条虫の一種です。

その原因はネズミで、猫条虫を持ったネズミを捕食することで猫は感染します。

【主な症状】

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少

猫条虫は小腸に寄生して成長し、糞便中に米粒のような片節を排泄するようになります。

治療には駆虫薬を使用し、完全に駆除できるまで継続して駆虫薬を投与します。

外部寄生虫とは、その名のとおり体の外に寄生する寄生虫です。

主に、犬や猫の皮膚や毛に寄生し、炎症やかゆみを引き起こします。

ノミは体長1mm〜2mmほどの小さな昆虫で、犬や猫、人の血液を吸い、かゆみを引き起こします。

野良犬や野良猫に寄生していることが多いです。

マダニとは体長3mm〜8mmほどの昆虫で、犬や猫の血液を吸い、かゆみや皮膚炎などを引き起こします。

また、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のような致死率の高い感染症を媒介します。

森林や公園、河原などに生息し、散歩中のペットや人に寄生します。

関連記事:マダニから感染する猫のSFTSとは?感染経路や症状、予防法を解説

ニキビダニ(毛包虫)は体長0.2mm〜0.3mmほどの非常に小さな昆虫です。

健康な犬や猫でもニキビダニが常在しており、症状がないことがほとんどですが、子犬や免疫の弱った成犬では脱毛が部分的〜全身に広がることがあります。

ヒゼンダニは、体長0.2mm〜0.4mmほどの非常に小さな昆虫です。

疥癬症(かいせんしょう)という皮膚疾患の原因となり、非常に強いかゆみやフケ、かさぶたなどを引き起こします。

すでに感染している動物との接触により感染するため、定期的なシャンプーや部屋をきれいに掃除することが予防には重要です。

シラミ・ハジラミは、体長2mm〜3mmほどの小さな昆虫です。

シラミは血を吸い、ハジラミは主にフケや皮脂を食べます。

症状は無症状〜強いかゆみが現れるものまでさまざまで、フケや脱毛が生じる場合もあります。


ここまで、犬猫の主な寄生虫を紹介してきましたが、寄生虫を予防・早期治療するためには以下のような対策が重要です。

  • 動物病院で定期的に健康診断を受ける
  • 獣医師の指示を理解し、定期的に駆虫薬を投与する
  • カーペットや布団などを清潔にし、寄生虫の繁殖を抑える

日頃から駆虫薬の投与や清掃を徹底し、愛犬・愛猫を寄生虫から守りましょう。


ここまで、犬や猫の主な寄生虫について解説してきました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 犬や猫の寄生虫は「内部寄生虫」と「外部寄生虫」の大きく2種類に分かれる
  • 犬の主な内部寄生虫は犬回虫や犬鉤虫、瓜実条虫など
  • 猫の主な内部寄生虫は猫回虫や猫鉤虫、瓜実条虫など
  • 外部寄生虫にはノミやマダニ、ヒゼンダニなどがある
  • 寄生虫を予防するためには、定期的な駆虫薬の投与や衛生管理が重要

犬猫の寄生虫感染を防ぐには、動物病院への定期的な通院や駆虫薬の投与が重要です。

獣医師の指示を理解した上で、適切にお薬を使用しましょう。

犬猫のお薬についてお悩みの方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店では、決済完了から最短翌日にお薬を受け取れます。

また、お薬に関するお悩みは、24時間いつでもLINEから薬剤師へ相談可能です。

ねこあざらし薬店の詳細は以下からご覧ください。

繰り返す皮膚トラブル、原因は何?犬猫に多い皮膚疾患と治療のはなし【獣医師執筆】 

この記事では、犬や猫で多い皮膚疾患について、主な原因や症状、治療薬、自宅でできる対策などを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • 犬や猫に多い皮膚の病気には、マラセチア症や膿皮症、アレルギー性皮膚炎などがある
  • 治療は外用薬やシャンプー、駆虫薬など疾患によってさまざま
  • 皮膚疾患を予防するには、日頃のブラッシングやシャンプー、栄養管理が大切

最後まで記事を読んで、犬や猫で多い皮膚疾患について学んでみましょう。

犬猫のお薬についてお悩みの方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


犬や猫の皮膚疾患は、以下のとおり症状によってさまざまなものが考えられます。

【犬】

症状原因
痒みがある外耳炎、耳ダニ、疥癬、皮膚糸状菌症、マラセチア症、食物アレルギー、アレルギー性皮膚炎など
皮膚が赤いマダニ・ノミの寄生、皮膚糸状菌症、毛包虫症、疥癬、膿皮症、アレルギー性皮膚炎、マラセチア症など

【猫】

症状原因
痒みがあるノミ・ハジラミ・マダニの寄生、毛包虫症、疥癬、膿皮症、マラセチア症、アレルギー性皮膚炎など
皮膚が赤い毛包虫症、皮膚糸状菌症、ノミ・マダニの寄生、疥癬、膿皮症、アレルギー性皮膚炎、マラセチア症など

1つの症状から特定の疾患を診断することは難しく、複数の症状や年齢、検査結果などを考慮して皮膚疾患を診断していく必要があります。


原因マラセチアというカビ(真菌)
症状痒み、赤み、フケ、脱毛など
治療抗真菌薬(外用薬・内服薬)、シャンプー、外耳道洗浄など
予防定期的なシャンプーや耳道ケア

マラセチアとはカビの1種で、健康な犬や猫の皮膚に元からいる常在菌です。

このマラセチアが何らかの原因で過剰に増殖し皮膚炎が起こった状態をマラセチア症(マラセチア皮膚炎)といいます。

猫では珍しく、犬で一般的な疾患です。

原因にはアレルギーや甲状腺機能低下症などさまざまな疾患があり、垂れ耳で耳の中が蒸れやすい犬種で起こりやすいという特徴があります。

発症すると、痒み、赤み、フケ、脱毛などが現れ、慢性化すると特有の臭いが出る、色素沈着が起こる、皮膚が分厚くなるといった症状が出ます。

治療は抗真菌作用のある薬用シャンプーを使うほか、シャンプーだけでは効果がない場合は外用薬あるいは内服薬の抗真菌薬も用います。

マラセチア性外耳炎の場合は、外耳道洗浄を行うこともあります。

関連記事:犬が耳を痒がる原因は?治療薬や自宅でできる対策を解説【獣医師執筆】

原因細菌感染
症状痒み、赤み、ぶつぶつ、皮剥け、腫れ、痛みなど
治療抗生剤(内服薬)、シャンプーなど
予防湿度を適切に保つ、定期的なブラッシングで皮膚を清潔に保つ

膿皮症(のうひしょう)とは、細菌感染による皮膚病です。

他の皮膚病によって皮膚のバリア機能が低下していたり、免疫力が低下していたりすると発症しやすいです。

猫よりも犬に多い疾患で、細菌が感染する皮膚の深さによって、浅在性膿皮症と深在性膿皮症に分けられます。

浅在性膿皮症では赤みや痒み、ぶつぶつ、皮剥けなどが、深在性膿皮症では赤紫色の腫れや痛み、血や膿が出るなどの症状が現れます。

治療には抗生物質の内服のほか、抗菌作用のあるシャンプーを併用することもあります。

原因カビや花粉などによるアレルギー
症状痒み、脱毛など
治療シャンプー、保湿剤、ステロイド外用薬などによる症状緩和が中心
予防遺伝的要因が大きいため難しい

アレルギー性皮膚炎とは、顔、手足、お腹、脇の下、耳などに皮膚炎が繰り返し起こる病気です。

カビや花粉などによるアレルギーが原因と考えられていますが、発症の詳細なメカニズムは不明です。

強い痒みが生じる、かくことによって脱毛が起こります。

慢性化すると皮膚がベタつく、黒ずむ、厚くなるなどの症状が出ることもあります。

アレルギー性皮膚炎は完全に治すことが難しいため、症状を抑える治療が中心です。

主にシャンプーや保湿剤、ステロイドのような外用薬を用いて、痒みや炎症を抑え、皮膚を健康に保つことを目指します。

原因毛包虫(ニキビダニ)
症状脱毛など
治療駆虫薬、シャンプーなど
予防生活環境をきれいにする、ストレスを与えない

毛包虫症(ニキビダニ症)とは、毛包虫(ニキビダニ)という寄生虫が毛穴に寄生する病気のことです。

毛包虫は健康な動物に常在していることが多く、子犬や子猫、免疫力の低下した個体で発症することが多いです。

発症すると、顔や口、目、手足の先端に部分的な脱毛が起こり、状態によっては全身に脱毛が広がることもあります。

治療にはニキビダニを殺す駆虫薬を投与するほか、シャンプーにより皮脂やフケを減らしたり、免疫力を低下させる他の病気がある場合はその治療も行います。

予防には、生活環境をきれいにし、ストレスを与えないことが重要です。

原因皮膚糸状菌というカビ(真菌)
症状フケやかさぶた、脱毛、赤み、ぶつぶつなど
治療抗真菌薬(内服薬・外用薬)、抗真菌薬を含んだシャンプーなど
予防感染した動物へは触らない、土の上をなるべく歩かない

皮膚糸状菌症とは、皮膚糸状菌というカビが感染することにより引き起こされる病気です。

「土」や「皮膚糸状菌に感染した他の動物」から感染し、フケやかさぶた、脱毛、赤み、ぶつぶつなどの症状を引き起こします。

治療には抗真菌薬の内服薬や外用薬を用いるほか、抗真菌薬を含んだシャンプーも有効です。

人や他の動物にうつるため注意が必要で、世話をする時は感染した動物へは触らず、毛を家の中に広げないようにしましょう。


犬や猫の皮膚疾患を予防するためには、以下のような日常のケアが重要です。

  • 定期的なブラッシングやシャンプーで皮膚と被毛を清潔に保つ
  • 栄養バランスの良い食事を与える
  • ノミやダニの予防薬を継続的に使用する
  • 室温や湿度を適切に保つ
  • 部屋をこまめに掃除する
  • 症状があれば早めに獣医師に相談する

皮膚トラブルは慢性化することも多いため、何か異常が見られたら早めに動物病院へ相談するようにしましょう。 


ここまで、犬や猫で多い皮膚疾患について、主な原因や症状、治療薬、自宅でできる対策などを幅広く解説してきました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 犬や猫に多い皮膚の病気には、マラセチア症や膿皮症、アレルギー性皮膚炎などがある
  • 治療は外用薬やシャンプー、駆虫薬など疾患によってさまざま
  • 皮膚疾患を予防するには、日頃のブラッシングやシャンプー、栄養管理が大切

犬猫の皮膚疾患にはさまざまな種類があり、原因や治療法も疾患によって大きく異なります。

皮膚トラブルが見られたら、まずはお近くの動物病院を受診し、獣医師の指示を理解した上で適切にお薬を使用しましょう。

犬猫のお薬についてお悩みの方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店では、決済完了から最短翌日にお薬をお受け取りいただけます。

また、お薬に関するお悩みは、24時間いつでもLINEから薬剤師へご相談いただけます。

ねこあざらし薬店の詳細は以下からご覧ください。

マダニから感染する猫のSFTSとは?感染経路や症状、予防法を解説【獣医師執筆】

この記事では、猫のSFTSについて、感染経路や症状、治療法、予防法などを幅広く解説しています。

【この記事を読んでわかること】

  • SFTSはマダニに噛まれることで感染する
  • 猫の主な症状は「元気がなくなる」「食欲が減る」など
  • SFTSによる猫の死亡率は約60%
  • 猫のSFTSに対する有効な治療法はない
  • 感染を防ぐにはマダニ駆除薬を使い、猫を外に出さないこと

最後まで記事を読んで、猫のSFTSについて学んでみましょう。

なお、マダニ駆除薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。


最近、SFTSに関するニュースをよく目にしますが、いったいSFTSとは何なのでしょうか?

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは、SFTSウイルスによる感染症です。

SFTSウイルスは2011年に中国で初めて発見されて以来、東アジア~東南アジアに広がりました。

日本では、2017年に和歌山県で初めて猫の発症が確認され、それ以降、西日本を中心に発生しています。

2024年には、国内で約200匹の猫が感染したとの報告があり、近年は茨城県や千葉県など、関東圏にも感染が広がりつつあります。

SFTSウイルスはいったい、何が原因となり感染するのでしょうか?

その答えは「マダニ」です。

ウイルスを持ったマダニに噛まれることで、猫はSFTSに感染します。

マダニと聞くと、「うちの猫は屋内飼育だから安全」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、完全屋内飼育の猫でも、家の外に逃げ出したり、屋内に侵入したマダニに噛まれたりすることで感染する恐れがあります。

なお、マダニが猫に付着したり、猫を噛んだりしても必ずウイルスが移るわけではなく、感染しても発症しない場合があります。

感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は、約6日~14日といわれています。

猫がSFTSに感染し発症した場合、主に以下のような症状が見られます。

  • 元気がなくなる
  • 食欲が減る
  • 下痢になる
  • 吐きやすくなる
  • 粘膜や皮膚が黄色くなる(黄疸)

このような症状が猫に見られたら、まずは動物病院に相談しましょう。

猫はSFTSに対する感受性が高く、発症した場合の死亡率は約60%といわれています。

重症例では急速に状態が悪化し、5日程度で亡くなります。

出典:国立感染症研究所「獣医療関係者の SFTS 発症動物対策について」

死亡率の高さに驚いた飼い主さんも多いと思いますが、残念ながら、猫のSFTSに対する有効な治療法はありません(2025年7月時点)。

人では「アビガン」という抗ウイルス薬が、SFTSの治療薬として承認されていますが、動物での有効性や安全性はまだ研究段階です。

そのため、治療は点滴や抗菌薬などの対症療法が中心となります。

対症療法とは、病気の原因を取り除くのではなく、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりする治療法

出典:国立国語研究所

猫のSFTSは有効な治療法がないため、SFTSに感染しないよう予防することが重要です。

マダニに噛まれないよう外に猫を出さない、マダニ駆除薬を定期的に使用するなどの対策を行いましょう。

完全屋内飼育の猫でも、外に逃げ出した際に感染した事例があります。

マダニに噛まれないよう猫は屋内飼育に努め、マダニ駆除薬を定期的に投与することがオススメです。

出典:茨城県「県内における飼い猫の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染事例について」


ここまで、猫のSFTSについて解説してきましたが、飼い主さん自身も感染に注意が必要です。

SFTSは、猫から人へも感染するといわれています。

近年、SFTSを発症した動物から人に感染する事例が増えており、2025年6月には、三重県でSFTSに感染した猫を診療していた獣医師が死亡しました。

猫の血液や唾液、尿、便にウイルスが含まれており、それに触れたり、噛まれたりすることで人は感染します。

人の主な症状は発熱、腹痛、嘔吐、頭痛などで、人がSFTSに感染したときの死亡率は約27%です。

人の死亡率も非常に高いため、日頃からマダニに噛まれないよう長袖の服を着る、猫との過剰なふれあいを避けるなどの対策を意識する必要があります。

出典:NHK「マダニ媒介ウイルス感染ネコ治療の獣医師死亡 三重」


マダニ駆除薬による予防の重要性が分かったら、マダニ駆除薬を購入できる場所が気になりますよね。

マダニ駆除薬が購入できる場所は大きく2つあり、「動物病院」または「ドラッグストア」で購入できます。

また、動物用医薬品であるマダニ駆除薬には「一般医薬品」と「要指示医薬品」の2種類があり、それぞれ購入方法が異なります。

動物用医薬品とは、もっぱら動物に使用する医薬品のこと

出典:日本動物用医薬品協会

一般医薬品と要指示医薬品の違いを以下の表にまとめました。

【一般医薬品と要指示医薬品の違い】

一般医薬品要指示医薬品
獣医師の処方箋や指示書不要必要
購入できる場所動物病院、ドラッグストアなど動物病院、薬局、ドラッグストアなど(処方箋や指示書の提出が必要)
医薬品の例・ディアバスター錠(下痢止め)
・ビオイムバスター錠(整腸剤)
ブラベクトスポット(マダニ駆除薬)
・ビクタスSS錠(抗生物質)
・ラプロス(慢性腎臓病の薬)
・チロブロック錠(ホルモン剤)

一般医薬品は誰でも購入できますが、要指示医薬品の購入には「獣医師の処方箋や指示書」が必要です。

一部のマダニ駆除薬は一般医薬品であり、ドラッグストアで処方箋なしに購入できます。
※獣医師の指導のもとご使用ください

【一般医薬品であるマダニ駆除薬の例】


ここからは、猫のSFTSについてよくある質問をまとめました。

疑問点がある方は、ぜひ参考にしてください。

残念ながら、マダニ駆除薬を使っていれば絶対に感染しないわけではありません。

薬はマダニを殺す効果があるだけで、ウイルスの感染を防ぐわけではないからです。

薬を使用していても、SFTSを持っているマダニに噛まれたら感染する可能性があります。

猫のウイルス感染を予防する薬やワクチンは今のところ開発されていません。

マダニ駆除薬を使っていても、猫はなるべく外に出さないようにしましょう。

マダニは翅(はね)を持たないため、猫についているマダニが人に飛び移ってくることはありません。

基本は、猫に直接触れることでマダニは人に移ります。

しかし、最近の研究では、直接触れなくても静電気の力によってマダニが付着できることが判明しました。

近づくだけでマダニが移る可能性があるため、マダニがついた猫にはなるべく近づかず、動物病院に相談しましょう。


ここまで、猫のSFTSについて、感染経路や症状、治療法、予防法など幅広く解説しました。

この記事のまとめは、以下のとおりです。

  • SFTSはマダニに噛まれることで感染する
  • 猫の主な症状は「元気がなくなる」「食欲が減る」など
  • SFTSによる猫の死亡率は約60%
  • 猫のSFTSに対する有効な治療法はない
  • 感染を防ぐにはマダニ駆除薬を使い、猫を外に出さないこと

この記事の内容を参考に、猫のマダニ対策を始めてみてくださいね。

なお、マダニ駆除薬の購入を検討中の方は、ぜひ動物のお薬の専門店「ねこあざらし薬店」にご相談ください。

ねこあざらし薬店なら、決済から最短翌日に薬を受け取れます。

薬についてお困りの場合は、24時間いつでもLINEから薬剤師に相談受付可能です。

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