説明
【効果効能】
猫:犬糸状虫(フィラリア)症の予防、ノミ、マダニ、猫回虫及び猫鉤虫の駆除
【用法用量】
猫の頸背上部の被毛を分け、皮膚上の部位に直接次のピペット全量を滴下する。
『体重 2.8kgを超え、6.25kg : 0.89mLピペット1個全量』
本剤を反復投与する場合、投与頻度がおよそ3か月に1回を超えないよう注意すること。
※体重12.5kgを超える猫については、フルララネル40mg/kg及びモキシデクチン2mg/kgを基準量とし、適切なピペットを組み合わせて投与すること。
【使用上の注意】
(基本的事項)
1. 守らなければならないこと
(一般的注意)
・本剤は要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
・本剤は効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
・本剤は定められた用法・用量を厳守すること。
(使用者に対する注意)
・使用時には本剤が手に付かないよう、ゴム手袋等を装着すること。
・使用後はよく手を洗うこと。
・喫煙や飲食をしながら投与しないこと。
(猫に関する注意)
・本剤は猫の外用以外に使用しないこと。
(取扱い及び廃棄に関する注意)
・本剤には引火性のある溶剤を使用しているので、保管及び使用の際には火気を避けること。
・食品と区別し、小児の手の届かないところに保管すること。
・本剤の保管は直射日光、高温及び多湿を避けること。
・使用期限が過ぎたものは使用しないこと。
・ラミネート包装は使用する直前に開封すること。また、開封後は速やかに使用すること。
・使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。
・本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。
2. 使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
・本剤の有効成分又は本剤に含まれる他の成分(ディート)に過敏症がある場合は使用しないこと。
・ウサギ眼刺激性試験で刺激性が認められているため、本剤が使用者の目や口に入らないように注意すること。
・本剤のラミネート袋の開封時に、わずかに揮発したアセトン臭がみられることがある。
・本剤投与後、完全に乾くまでは投与部位に直接触れないこと。また、投与したことを知らない人も触れないように注意すること。特に小児が、投与した猫に触れないように注意すること。
・本剤を使用した日は、投与した猫と一緒に寝ないこと。
・本剤が皮膚に付着した場合は、まれに発疹等があらわれることがあるので、石鹸を用いて水でよく洗い流すこと。粘着性の残留物が皮膚に残った場合は、有機溶媒を含む家庭用品(アルコールや除光液)を綿棒等で塗って取り除くこと。また、目に入った場合には、直ちに流水中で洗い流すこと。
・誤って本剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けること。
・投与の際に本剤を床等にこぼした場合、ティッシュペーパー、洗剤等を使って拭き取ること。
・本剤が皮膚に接触した場合、発疹、皮膚のヒリヒリ・しびれ感が少数の人で報告されている。
(猫に関する注意)
・本剤を反復投与する場合は、投与頻度がおよそ3か月(12週間)に1回を超えないようにすること。
・8週間よりも短い間隔で反復投与したときの安全性は確認されていない。
・ウサギ眼刺激性試験で刺激性が認められているため、本剤を投与する動物の目や口に入らないように注意すること。
・本剤投与後は、投与部位が乾くまで、猫が投与部位に触れたり、舐めたりしないように注意すること。また、投与した日は、同居する猫や他の動物との接触を避けること。
・副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
(専門的事項)
①対象動物の使用制限等
・本剤は1回投与すると通常約3か月間新規のノミを、約2~3か月間新規のマダニを駆除することができる。
・本剤は9週齢未満の猫又は体重1.2kg未満の猫には投与しないこと。
・繁殖に用いる猫、妊娠中又は授乳中の猫に対しては、本剤の安全性が確認されていないため、使用を避けること。
②重要な基本的注意
・本剤の投与前には健康状態について検査し、元気・食欲不振、発熱、下痢、重度の皮膚疾患など臨床異常を認めた場合は投与しないこと。
・本剤の投与前に犬糸状虫寄生の有無を検査すること。本剤を犬糸状虫寄生が疑われる猫に投与する場合には、本剤の有効性及び安全性を十分に勘案したうえで投与すること。
・本剤は、犬糸状虫成虫には効果がないため、成虫駆除を目的として使用しないこと。
・非常にまれにけいれんや嗜眠が副作用として報告されているので、てんかんの既往歴のある猫への投与に際しては、本剤の有効性及び安全性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
・複数飼育の場合は、個体間でのノミ及びマダニの再寄生を最小限にするため、全頭に投与することが望ましい。
・本剤投与後の猫の水浴あるいはシャンプーの影響については検討されていないが、本剤投与後3日間は、水浴あるいはシャンプーを控えることが望ましい。
③相互作用
・モキシデクチンを含む大環状ラクトンは、p糖タンパクの基質であることが示されている。従って、本剤の使用中は、獣医師によるベネフィット/リスクの評価を行った上で、p糖タンパクを阻害する可能性のある他の製品(例えば、シクロスポリン、ケトコナゾール、スピノサド、ベラパミル)を併用すること。
④副作用
・海外で実施した臨床試験で一般的な副作用として、軽度で一過性の投与部位の脱毛、表皮落屑、掻痒が報告されている。また、まれに投与部位を舐めた直後の呼吸困難や、投与後の短時間で過流涎、嘔吐、吐血、下痢、無気力、発熱、頻呼吸、散瞳が報告されている。
・海外の市販後の安全性調査では、本剤投与後、食欲不振、振戦、運動失調などの神経学的症状がまれに報告されている。
・本剤の臨床適用量の上限量(フルララネル93mg/kg+モキシデクチン4.65mg/kg)を経口投与して実施した猫の安全性試験において、一過性の流涎及び嘔吐が認められた。
⑤その他の注意
・本剤は、ノミ又はマダニの寄生又は寄生リスクがある場合であって、これ以外の効能(犬糸状虫症の予防、回虫及び鉤虫の駆除)のいずれか1つ以上を必要とする猫への使用が推奨される。
・本剤は、投与前の30日以内に感染していた犬糸状虫の第3及び第4期幼虫に効果を有する。また、投与後60日間、犬糸状虫の第3期幼虫に効果を有する。そのため、猫における持続的な犬糸状虫の予防には、本剤の3か月間隔の反復投与が必要である。
・本剤は、猫に寄生したノミ及びマダニを駆除する動物用医薬品であり、これらの寄生虫が媒介する疾病の伝播を阻止できるかについての検討は行っていない。
【貯法】
室温保存
【包装単位】
0.89mLピペット×1本
【製剤区分】
防虫剤・殺虫剤
【規制区分】
劇薬, 指定医薬品, 要指示医薬品
【製造販売業者】
MSDアニマルヘルス株式会社
【メーカーお問合わせ先】
MSDアニマルヘルス株式会社
〒102-8667 東京都千代田区九段北一丁目13番12号
TEL:03-6272-1099
FAX:03-6238-9080